台湾婦女救援基金会は9日、「第11回旧日本軍の従軍慰安婦問題に関するアジア団結会議」を開催した。台湾籍の元慰安婦・鄭陳桃さんは、「あの頃のことを思い出すだけで、言葉を失ってしまう」と、当時の悲惨な状況について、むせび泣きながら語った。鄭さんは、「日本は謝罪も弁償もせず、60年もの間、問題の解決を引き伸ばしてきた。台湾人を侮辱するにも限度がある」と訴えた。中国新聞社のウェブサイト「中新網」が伝えた。
台湾「聯合報」報道によると、台湾人元慰安婦8人のうち、鄭さんが最高齢。台南女子中学校に通っていた鄭さんは、ある日、自宅のある屏東県から台南県に車で向かう途中、派出所の前を通りかかった。その時、日本人に強制的に別の車に乗せられて高雄に連行された。その翌日、船でインドに送られ、悲惨極まりない「慰安婦生活」が始まった。
日本が敗戦し、鄭さんは台湾に戻った。自宅は跡かたもなく壊され、仕方なく叔父さんを頼って行った。叔父さんは彼女の荷物を道に投げ捨てた。行くあてがなくなった鄭さんは、自分の力で生きて行こうと心に決め、お手伝いさんになり、苦労を重ね、現在に至った。
鄭さんの話は、元慰安婦の一例にすぎない。アジア各地にはまだ多くの元慰安婦がおり、日本政府からの謝罪と賠償を待っている。
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