中国社会科学院日本研究所の龐中鵬氏は「国際金融報」の取材に対し、「民主党の3年あまりの執政期間は、日本の国家力とイメージが急激に低下した3年間で、日本は完全に二流国家に落ちぶれた。福島の原発事故は日本の安全と一流の質という神話を打ち破った。シャープやソニー、パナソニックなどの家電メーカーは大幅赤字を計上し、ブランドイメージを失った。公的債務残高の対GDP比は240%の高水準に達し、経済は崩壊寸前だ。外交面は警戒が続いている。また右翼思想が盛り上がり、極端な民族主義の思潮と人物が増えている。どう見ても、民主党の執政期間の問題は山積みだ」と話した。
これらの誰もが認める問題は、民主党が執政権を失うことはほぼ決定的だという争いようのない事実を示すことになった。またこれは、政権奪回を目指す自民党の「武器」となり、辞職を迫る「手段」へと進化した。ところが、衆議院解散の承諾後も言及を避けていた野田首相は、11月14日に意外にも条件付きで解散する意向を突然表明した。
民主党内部では、総選挙の前倒し実施が望まれておらず、野田氏が辞任し首相が交代するという方法での変化を望む声が多い。また、野田首相の衆議院解散の意向表明は民主党の離党ブームを引き起こした。11月16日までに、9人の議員が離党を表明、離党届を提出し、民主党の議席数は半数を割ることになる。また、党内には自民党に鞍替えする議員もいる。
龐中鵬氏は、民主党が最後に巻き返す可能性は低いとし、「選挙間近の大事な時期に民主党内の分裂が激しさを増していることは、党内の結束力が非常に弱く、まとまりがないことを示している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年11月19日
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