日本の中央銀行である日本銀行(日銀)はこのほど、ゼロ金利政策を継続し、量的緩和政策として資産買い入れ基金の規模を11兆円拡大して91兆円とすることを決定した。2カ月足らずの間に2回の金融緩和措置をうち出したことになり、極めて異例な事態といえる。だが新たな金融緩和措置も日本経済の悪化の流れをくい止め、好転させることは難しいとみられる。「人民日報」が伝えた。
日本経済は長期にわたって低迷状態にある。欧州債務危機や世界経済の下ぶれ圧力の増大を背景として、日本の今年第2四半期(4-6月)の国内総生産の増加率は第1四半期(1-3月)に比べて目立って低下し、わずか0.7%の増加にとどまった。第3四半期(7-9月)には景気動向指数と鉱工業指数が3カ月連続で低下し、これに釣魚島(日本名・尖閣諸島)の「国有化」をめぐる茶番劇が引き起こした対中輸出の急減が加わって、鈍化傾向が明らかになってきた。日本の内閣府と日銀は10月、日本経済は景気が回復しつつある状態から低迷状態に変わったとの判断をそれぞれうち出した。さらに深刻なことは、国民経済の最も基本的な細胞といえる企業の経営状態が非常に悪いことだ。自動車産業が不振に陥り、家電産業の業績が悪化の一途をたどっているばかりでなく、シャープが倒産の危機に瀕し、家電業界の花形だったパナソニックとソニーも巨額の赤字を抱えるようになり、業界全体に危機が迫っている。新たな金融緩和措置はこうした背景の下でうち出されたものであり、目的は非常に明確だ。日本政府が4千億円を投じて進める経済喚起政策に合わせて、転落しようとする日本経済を助け起こし、日本経済をデフレから一日も早く脱却させ、物価の安定した成長軌道に乗せることが主な目的だ。
今回の金融緩和措置は寒波に直面する日本経済の状況を緩和するとみられるが、効果は限定的だ。その主な原因として、日本の経済政策と金融政策の方向性には重大な偏りがあることが挙げられる。公共事業への投資の増加や量的緩和政策はいずれも国内の需要不足の問題を解決することに目が向けられたものだが、現在の日本経済の悪化の根本的な原因は海外需要の不足にある。
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