華為技術(ファーウェイ)の中国区ネット市場部の関係者は、「光ファイバーを例とすると、日本企業が把握している光ファイバー母材は、産業チェーン全体の約7割の利益を占めている」と語った。同関係者によると、1本の光ファイバーの生産は、以下の三つの工程を経るという。(1)高純度二酸化ケイ素(光ファイバー母材)を生産する。(2)光ファイバー母材を引き伸ばし、線状にする。(3)耐荷重材料をコーティングし、ゴムによる表面保護を行う。(1)の利益は70%、(2)は20%、(3)は10%に達する。中国企業はこれまで(2)と(3)を中心とし、利益率が最も高い光ファイバー母材は主に日本からの輸入に依存していた。しかし近年になり、株式会社フジクラ等の企業と合弁会社を設立することで、一部の生産能力を確保した。
姚氏は、「このような、日本企業が産業の川上で高利益を得るケースは珍しくない。例えばLED製品のうち、色を調整し光線を配列する3種の発光ダイオードは、小規模の日本企業のみが供給可能だ。日本の多くの中小企業は細分化された分野に集中的に取り組み、独自の技術を確保しており、世界市場で70−80%のシェアを占める製品もある」と語った。
2011年3月の東日本大震災もまた、別の面から日本MC産業の実力を証明した。姚氏は、「被災地には多くのMC企業が集中している。地震は日本企業のみならず、多くのグローバル企業に影響をもたらした」と指摘した。
日本MC産業、ブラックボックス化された技術
姚氏は、MC産業には「ブラックボックス化された技術」の特徴があるとした。MC産業は力強い支援を受け、整った環境を必要とするため、外国には真似できず、自力で発展させる必要があるという。
韓国は産業構造の不足を補うため、MC産業の強化に向けた措置を講じており、政府主導で同産業に対する投資を拡大している。韓国産業資源部は2005年に、『部品・材料産業発展戦略』を制定し、日本の同産業に類似する中小企業の育成を目標とした。
姚氏は、「韓国政府は2010年頃、亀尾、浦項、BJFEZ、益山の4つのMC産業専用工業団地を設立し、優遇政策により日本企業の工場建設を促した。2011年3月に東日本大震災が発生すると、日本のMC企業は海外進出の検討を始めた。韓国と企業は、海外投資の意向を持つ日本MC産業の誘致に乗り出した。しかしながら、同産業のブラックボックス化された技術により、韓国は同産業の発展でさまざまな障害に直面している」と指摘した。
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