中国大陸部の会社員が過去1年間に受けたストレスは世界最大であることがこのほど、レンタルオフィス世界最大手、英リージャスの調査で分かった。生命時報が伝えた。
伝統的行事「中秋節」(旧暦8月15日、今年は9月30日)と重なり8日間の大型連休となった「国慶節」(建国記念日、10月1日)休みが、年に1度の「混雑ウィーク」へと変わり果ててしまった理由が、この調査結果からうかがえる。
調査結果によると、中国は現在、世界最大のストレス大国となっている。世界80カ国・地域の会社員1万6千人のうち、昨年よりストレスが増したと答えた人は、中国大陸部では75%、香港では55%に達し、ランキングの1位と4位となった。これは、平均の48%を大きく上回る。大陸部の中では、上海(80%)と北京(67%)が上位2都市だった。人口が膨らみ、社会が目まぐるしく変化し、欲望が渦巻く掛け値なしの『ストレス大国』に特効薬が求められている。
▽連休の過ごし方 ショッピング、ネットゲーム、怒りでストレス発散
13億人が同時に休みを取り、8600万人が高速道路に押し寄せる-----。国慶節連休は、外国人の目にこんな恐ろしい休暇として映っているはずだ。中国の関連部門の統計によると、この8日間で、飛行機を利用して旅行した人が760万人、列車を利用して旅行した人が6095万人、全国各地の観光スポットに出かけた人が4億2500万人、海外に出国した人が7700万人に上ったことが分かった。また、1800億元(約2兆3千億円)が国内旅行市場に費やされ、800億ドルが海外で消費されたという。一方、回答者の8割がストレス解消の方法に長距離旅行を選んだとする調査結果もある。旅行に出かけた中国人にとって、旅行は「逃避」だ。それは朝9時から夕方5時までという味気ない仕事や家庭、職場と家を往復するだけの単調な生活からの現実逃避にほかならない。
北京の外資系企業で働く王琳さん(28歳女性)は国慶節の休暇は買い物に没頭した。今でも両親と一緒に暮らしている王さんは家も車もなければ、彼氏もいない。毎日、両親から早く結婚して子供を生むよう朝から晩まで口うるさく急かされる。身近な友人はすでに結婚をして、立派な家を購入し、高級車を運転している。そんな様子をみると心は穏やかでない。そんな中、連休に国外旅行に出かけることが王さんの唯一の精神的支えとなった。しかし休暇が終わってみると、期待していた異国での出会いは生まれず、クレジットカードの領収書だけが山積みになっていた。ブランド物の洋服やアクセサリーなどに3万元(約38万4千円)以上も使い、3枚のクレジットカードすべてが使用限度を超えた。しかし王さんは衝動買いを後悔してはいない。「青い空と美しい風景の下で買い物をしているときは、自分が美しく、幸せで、裕福に感じられ、ストレスをすっかり忘れられた」
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