中国国際少林寺武術大会が23日、中国河南省鄭州市で開幕した。中日関係が冷え込んでいるものの、日本の選手らは予定通り参加している。中国国営の通信社「中国新聞社」のウェブサイトが報じた。
田村太志選手(16)は同日、「陰手棍」の試合に参加し、三等賞を獲得した。試合後、記者らの取材に応じた田村選手は口元を緩ませ、右手でVサイン。
今回の大会に出場している日本人選手は田村選手を含め計17人。チームを率いるのは福田正治(67)監督で、螳螂拳(とうろうけん)、虎拳(とらけん)、鷹拳、風魔棍、九節鞭、陰手棍、七星拳、達摩剣など15の武術競技の試合に参加している。
監督として4回目の同大会参加となる福田監督は取材に対して、「今回選手を連れて中国で開催される試合に参加するのは、以前ほど簡単なことではなかった」とほほ笑みながら話し、「釣魚島の問題があるので、選手の祖父母が、『孫の身に何かが起きたらどうしよう』ととても心配していた」と語った。
また、20日に鄭州入りしてからは、「選手はみんなとても楽しんでいる。中国の方もこれまでと同じようにもてなし、同じようにあいさつし、同じように親切にしてくれる。すばらしい少林寺のパフォーマンスにみんな興奮している」と語る。
そして、身の安全を懸念する声もある中、参加を決めたことに関して、「初めから友好目的でこの大会に参加している」とし、中日両国の交友を促進するためであることを強調した。
今回の少林寺武術大会には日本を含む73カ国・地域の中国拳法の達人計1500人以上が参加している。福田監督は1979年に日本少林拳法連盟訪問員として同市にある嵩山(すうざん)少林寺を訪問し、武術交流を行った。その時、日本で自身が20年学んだ「少林寺拳法」と中国の少林武術が全く異なることに気付き、帰国後、真の少林武術の習得を決意したという。
そして95年、再び嵩山少林寺を訪問し、武術交流を行った福田監督は、同寺の30代目住職・素喜大和尚に弟子入り。少林寺第31代在家弟子「釈徳萌」の名を得た。
福田監督は最後に、「次回の少林寺武術大会も選手を連れて参加する」と締めくくった。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年10月25日 |