外相は欧州訪問で冷遇され、法相は暴力団との関係で辞表を提出し、日米は軍事演習を中止し、沖縄では女性が米兵に強姦され、三党党首会談は失敗に終った--。野田佳彦氏は「災いは重なるもの」という言葉の意味を身をもって知った。野田氏の前には退陣という道しかないとアナリストは指摘する。人民日報海外版が伝えた。
■党首会談は決裂
日本の田中慶秋法相兼拉致問題担当相は暴力団関係者との交際や外国人からの献金が発覚して、23日に引責辞任することを決めた。野田氏は一刻も早く次の法相を決めるべく、すでに後任人事に着手した。野党は再び野田氏の任命責任を追及し、退陣を迫る考えだ。
野田首相をさらに焦らせているのが、野党との関係をどう処理するかだ。与党である民主党の野田佳彦代表は野党である自民党の安倍晋三総裁、公明党の山口那津男代表との三党党首会談を19日午後に行ったが、会談は決裂した。
報道によると、会談で衆院解散・総選挙の時期を明確に示すよう野党が再三要求したのに対し、野田氏は赤字国債発行法案など重要法案の可決に野党が協力すれば、自らの判断に基づき解散時期を決定すると表明。自民、公明両党はこの返答に強く反発した。
自公両党の党首は8月8日に野田氏と会談した際、「近いうちに」衆議院を解散すると野田氏が約束したため、内閣不信任決議案や首相問責決議案を提出しないことに同意し、野田氏は難を逃れた。明らかに「近いうちに」は曖昧な概念であり、どれほどの期間が「近いうちに」なのか、野田氏は言葉遊びをしたのだ。
からかわれたと感じた自民、公明両党は再び退陣を迫った。だが19日午後の会談でも、野田氏は具体的時期を明確にすることを拒んだ。
会談決裂後、野田氏と輿石東幹事長らは10月29日に会期約1カ月の臨時国会を召集すること、その前に政府と民主党上層部の会議を行い、11月30日閉会との日程について検討することを決定した。
これと同時に安住淳幹事長代行が「首相は約束をしっかり履行すると、いろいろな言葉で言っている」と野党をなだめた。
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