このため、日本企業による短期的・部分的な「脱中国化」が、中国市場からの完全撤退もしくは中国との商交流の断絶を意味するものだとするならば、大きな間違いだ。日本の関係者の計算によると、中日両国の経済融合度はすでに29%に達しているという。これが30%を超えた場合、両国は一つの国家と見なすこともできる。資料によると、昨年の中日両国間の貿易額は3428億9000万ドルに達した。中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、日本の対中国輸出額は輸出全体の20%を占めている。現在2万社の日本企業による対中国直接投資残高は5兆ドル以上に達しており、機械製造業、自動車産業、ファインケミカル、小売業等に向けられている。中国は、日本企業の海外市場における、最も重要な収入源となった。そればかりではない。専門家によると、日本企業の対中国投資額は現在も毎年約50億ドルのペースで増加している。日本企業は13億5000万人の人口を持つ、巨大な消費市場を重視しているのだ。
中国は広大な市場であり、それ以上に大規模で頼りになる生産拠点であることを、日本企業はよく理解している。中国はトップレベルの物流インフラを持ち、市場が成熟化・規則化に向かっている。グローバル企業が中国市場のハイエンド分野に対する投資を増加するに伴い、中国は企業の技術力向上に対してより重要な役割を果たすようになるだろう。一方で東南アジア諸国は、政局混乱や労使間の紛争等、政治的なリスクが高い。日本企業が単純に中国市場からの撤退を選択すれば、高額の機会費用を負担することになる。
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