釣魚島問題はここ数年における最大規模の中日の衝突であり、何をするべきで、何をしないべきか、一般の中国人は経験に乏しい。中日経済は全体的に互恵関係にあり、中国が両国の経済関係を主導する能力も高まりつつある。多くの中国人は日本に対する経済制裁を望んでいるが、果たしてその能力が中国にあるのか、制裁したところで役に立つのか、中国への被害がどれくらいなのかはよくわからない。エリートたちの言うことも矛盾に満ちており、中国社会は全体的にややためらっている。
日本が中国国民を怒らせれば、もちろん多くの中国人が日本に対する経済制裁を望むだろうし、日本製品を積極的に買わなくなるだろう。しかしこれが中国社会の統一的な行動となる可能性は低い。日本製品を必要としている人もいるからだ。これも自然なプロセスであり、結果を自然に任せ、できるだけ関与しないことが、政府と世論が最もとるべき態度なのかもしれない。
事実、中国政府のここ数年の対日政策は主流の民意を基礎としており、「民意を誘導」することを外交政策の主な使命とはしていない。このことは、現在の中国の対日政策をより持続可能にしている。
日本も、中国人観光客をたくさん乗せたクルーズが来たからと言って、中国人の日本に対する怒りが静まったと考えてはならない。「両国の貿易は、中日友好を基礎に発展してきた。もし政治の嵐が吹き荒れ続ければ、萎縮するのは当然だ」ということをよく理解するべきだ。日本は中国から受ける損失を気にしないかもしれない。しかしそれは中国も同様だ。
「中日は意地になって争っている」と言う人がいるが、その言い方は正しくない。重要なのは、中日が何を争っているかはともかく、その「争い」を阻止する現実的な力が無いということだ。しばらくは争いを続ければよい。時がたてば認識と実感が増し、事態をより正しく見られるようになるだろう。中国と日本、どちらが没落し、どちらが繁栄しつつあるかは明らかであり、真っ先に焦るべきは中国ではないはずだ。(編集SN)
「人民網日本語版」2012年10月23日 |