中国人団体客1500人を乗せた大型クルーズ船コスタ・ビクトリア号が20日、日本に到着した。これは日本が釣魚島(日本名・尖閣諸島)を「国有化」して以来、日本を訪れた最大規模の中国人観光ツアーとなり、中国のネット上では同ツアーに対する不満の声も数多く聞かれた。一方で、中国からの日本観光客がここ2カ月で大幅減となっているのも事実だ。環球時報が伝えた。
多くの中国人が日本観光をあきらめたが、全ての人があきらめたわけではなく、1500人もの人が日本を訪れた。このやや矛盾した事実こそが、中国の真実の姿を表している。両者はいずれも置き換えることのできない意見であり、どちらか一方をとって「これが今の中国である」と絶対的に言えるわけではないのだ。
日本に旅行に行くか行かないかは、国民が自由に決められる。これが重要だ。日本旅行をボイコットするかしないかは、政府が推進することではない。国民には日本旅行をキャンセルすることで日本に対する強い不満を表す権利があるし、あるいは国の政治より個人の興味を優先させても良い。政府のこのような「不干渉」の態度は、中国の進歩の表れと見られている。
中国が「重大問題」において、完全に社会全体の歩調を一致させていた時代はもう終わった。これほど大きな国と社会の中で、主流の意見に同意しない人や、主流に合わせることに興味が無い人が一定の割合でいたとしても、それは全くもって正常なことだ。少数意見が尊重される。これは中国社会においてこれまでなかなか発達してこなかった部分だ。
もちろん、このクルーズ船が日本に到着したことで、大多数の中国人の日本への怒りが嘘だということにはならないし、日本旅行をあきらめた人は間違っている、というわけでも当然ない。中国の世論は主流・非主流の意見を見分ける能力が必要であり、我々が最も避けるべきは、極端に走ることだ。
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