日本は高度高齢化社会として、高齢者数の急激な増加に伴い、高齢痴呆症患者も増え続けている。このような疾病への社会的偏見をなくすため、日本では早くから高齢痴呆症を「認知症」と改め、「障害者」を「障がい者」と表すのと同様、すでに社会的に広く認められている。人民日報社の健康週刊紙「生命時報」が伝えた。
厚生労働省が発表した最新調査結果によると、日本国内で介護を必要とする高齢認知症患者はすでに300万人を突破、7年後には400万人に達する見通し。よって日本政府は、認知症患者の予防・ケアに関する福祉制度を大幅に改定することを決め、来年度から新たな「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」をスタートさせる準備を進めている。認知症患者に対する福祉を改善し、積極的な予防を通じ、認知症患者の増加を減速させるねらいだ。
「オレンジプラン」では認知症高齢者介護の支援体制を拡充し、専門の治療拠点を増加させるほか、看護師、保健師、心理カウンセラーらによる専門家チームを立ち上げ、高齢者の自宅を定期訪問し、認知症の早期発見と治療を支える。また暴力や失踪傾向にある高齢者のために「身近型認知症疾患医療センター」も設ける。過去の事例から、認知症は早期発見できれば治療などで病症進行を抑えることが認められているため、「オレンジプラン」は従来よりもさらに予防に重点を置く。
日本は非常に早くから認知症患者に対する関心を寄せており、多くのボランティア組織が家庭支援を提供しているほか、多くの機構も認知症発生予防を重視している。NPO法人「認知症予防ネット」(京都府宇治市)は、高齢認知症の防止に最も大切なのは、他人からの優しさ、と強調する。家族、さらに隣人がお年寄りに充分な優しさを寄せることが認知症予防に効果的で、さらに日頃の料理を通じ生活習慣を変えることで、軽い認知症は治すことができる、としている。「認知症予防ネット」は「優しさをシャワーのように」と訴え、お年寄りへの「優しさのシャワー」の必要性を説く。また認知症予防のための脳活性化リハビリゲームも提唱しており、自分から積極的に声を出すことから始め、小学唱歌を歌ったり、軽い運動などを組み合わせ、少しずつ難しいリハビリへステップアップを図っている。お年寄りが集まって一緒にゲームを楽しむことを通じ、遊びながらリハビリを行い、認知症予防と緩和につなげている。(編集HT)
「人民網日本語版」2012年10月22日 |