ここ数カ月、中国市場での日本車の販売台数が大きく落ち込んでいる。9月には中国全土における日本車の販売台数が前月比約30%低下したとの報道もある。北京でも一部の日本車ディーラーは客がなくひっそりと静まり返っており、来客数と成約率が大きく低下し、年間ノルマの達成は難しくなった。しかし、日本車が中国進出したばかりのころの様子を振り返れば、民族的感情は今の日本車の販売台数低下を招いた数ある原因のうちの1つでしかないことが分かる。中国市場に対する態度や軽視も大きな原因だ。新京報が報じた。
日本車は燃費の良さとスペックの高さで人気を集めてきた。中国市場に進出したばかりのころ、アコードが一世を風靡し、長年にわたって価格上乗せ販売が行われてきた。カローラやヴィオスも同レベルの他社車種と比べて価格は上回るが、それでも人気を集めた。しかしここ数年、日本車の人気はフォルクス・ワーゲン、GMなどの欧米車に追い越されつつあり、市場シェアも下がっている。特にトヨタのブレーキ問題でのリコール事件は消費者を震撼させた。当時欧米市場ではリコールがすでに始まっていたが、中国市場はやはりリコール対象から除外され、その後圧力に負けて仕方なくリコールが始まった。このような状況が何度も繰り返されれば、中国市場に対する軽視は一目瞭然だ。
日本にとって中国は文化的にも地域的にも近く、欧米諸国より優位がある。しかし、現地化の面で日本車は欧米車に負けている。米GMと上海汽車との合弁会社「PATAC」はすでに影響力を強めているし、「上海フォルクスワーゲン」と「一汽フォルクスワーゲン」もすでにラヴィーダや新ボラなどの車種を開発している。一方の日本車メーカーは、一部が中国における研究開発センターの建設を始めたばかりであり、中には中国に研究開発センターを設立したくないと表明しているメーカーもある。研究開発センターの有無が中国市場への重視度の唯一のバロメーターではないものの、部品は内部調達で、新モデルの発売も遅いといった状況では、中国市場への重視、合弁パートナーへの重視をいかにして証明するつもりなのか?そもそも中国自動車市場の開放は「以市場換技術(市場を技術と交換すること)」が本来の目的であり、この基本に背くことは、契約精神に背くことだ。
|