北京時間10月11日夜、中国人作家の莫言氏が2012年ノーベル文学賞を受賞したことが明らかになった。中国国籍の作家によるノベール文学賞の受賞はこれが初。日本文芸評論家の川村湊氏は取材に対し、「日本では既に2名の作家がノーベル文学賞を受賞しているが、中国にはまだ受賞者がいない。今回の莫言氏の受賞はバランスをいくらか考慮した結果である」との見方を示している。
川村氏は「今年の受賞者はアジア圏であるとの見方は、結果が発表される前から既に広まっていた。日本でも、村上春樹氏に大きな期待が寄せられていた。しかし、日本には既に2名のノーベル文学賞受賞者がおり、平等性を考慮し、受賞者がいない中国の作家に賞が授与されたと思われる」と述べている。
「莫言氏は一般的な社会の現状を描かず、現実と幻想(魔術)の世界を混合して表現するマジックリアリズムの手法で歴史的な物語を描いている」とした川村氏は、「細かいことに捕らわれず、堂々としていて勢いがある」という評価が最も莫言氏の作品に適しているとの考えを示した。また、川村氏は「莫言氏のこの度の受賞が中日両国の作家間の交流にプラスに働くことを期待している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年10月15日 |