「友好こそ両国発展の礎であると信じて奔走してきた人達は皆、両国関係の現状に心を痛め、困惑している」。日中友好協会会長、自民党元幹事長の加藤紘一氏は5日、公の場で日本政府に対し、すみやかに中国側に誠意を示し、両国の対話実現を促すよう呼びかけた。釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題をきっかけに、日本では対中友好団体の働きも突如、注目を集めた。1950-60年代、これらの友好団体は日中交流の主柱をなし、国交正常化推進の重要な原動力となった。しかし日本で右翼勢力が強まるにしたがい、これらの団体はさまざまな非難と困難に直面している。中日関係が冷え込む中、これらの対中友好団体は日本でなお影響力を持つのか、両国関係を改善することはできるのか、憶測は高まる一方だ。「環球時報」が伝えた。
▽民間ルートによる対流疎通に欠く日本政府
釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題の深刻化を受け、「日中友好協会」など、両国友好事業に尽力してきた7団体は呼びかけに奔走し続けている。これについて、日本国内の見解は分かれている。産経新聞は、「日中関係に摩擦が生じた際は、日本の訪中代表団の数々に中国に反論できる人がいない。中国側に対し、『中国側の認識が誤りだ』と指摘できる人がいない」と論じた。FNNは日中友好7団体の訪中が、両国関係を真に改善できるかについて疑念を示した。しかし日本経済新聞は、「日中両国政府の隔たりが消しがたい状況の下、これらの友好団体が今後、あらためて両国交流の重要なルートとなる」との見方を示している。
日本のネット上や一部のメディアでは、「日本は中国との交流中断を心配する必要はない」「日本は中国を気にする必要はない」との右翼の主張が幅を利かせているが、一方で「中国との関係がここまでこじれた大きな原因には、中国との意思疎通が欠けていることがある」とする理性的な声もある。
中国問題を研究するある日本人学者は記者に対し、「民主党政権になって以来、日本政府は対中関係の危機管理において、その無力さがますます明らかになり、日中友好協会のように歴史上、重要な役割を発揮してきたルート(日本の対中友好団体幹部の多数は野党・自民党)がより少なくなっている」と指摘。「日中両国間の民間から政府にいたるまで確かな相互信頼が築かれていない状況で、事務的な外交のみに頼れば、相互猜疑の悪循環に陥る可能性が高い」と語った。
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