中国の四大国有銀行トップの欠席に続き、日本で開催中の国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会には、中国人民銀行(中央銀行)の周小川行長(総裁)も財政部(財政省)の謝旭人部長も出席しないことが確認された。両トップに代わり代表団を率いて出席したのは、財政部の朱光耀副部長と人民銀の易綱副行長(副総裁)だ。過去数年間の総会を振り返ると、中国からは人民銀の行長と財政部長、および金融管理部門のトップが出席しており、今回の両トップの欠席が各界に議論を巻き起こすことは確実だ。「国際金融報」が伝えた。
今回の総会では、IMFにおける中国の出資比率が3.994%から6.390%に引き上げられ、中国は一躍、米国と日本に次ぐ3番目の出資国になる見込みだ。この総会は各国の財務・経済官僚、非政府機関(NGO)、銀行関係者が集う世界最大規模の会合だ。各国の財務長官や中央銀行総裁はこの場を利用して、世界の金融や経済をめぐる焦点の問題について議論を繰り広げ、協力の機会を模索し、各国の金融機関もこの場を借りて国際金融情勢を話し合い、協力の道を模索してきた。
今なお金融危機の影響が残り、欧州債務危機は引き続き蔓延し、世界経済の不確定性が高まり、成長ペースが鈍化するという状況の中で、今回の年次総会は極めて重要なものだといえる。それにもかかわらず、中国の中央銀行総裁、財務長官、主要金融機関のトップが欠席したことにより、総会の価値は下がり、影響力も大幅に低下することは確実だ。国際金融の安定、監督管理、救済などをめぐる政策や行動に中国の参加と支持は不可欠で、中国がいなければ十分に議論したり有効な解決策を見いだしたりすることは難しい。
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