日本政府が釣魚島(日本名・尖閣諸島)に関して「領有権問題は存在せず」との立場を堅持しつつ、領有権争いの存在を認めるよう要求する中国にも配慮する「妥協案」を検討しているという。
ここしばらくの中日間の激しい摩擦を振り返ると、われわれが長期的意義を持つ突破口を開いたことがわかる。
第1に、日本が自ら挑発を行う中、中国も勢いに乗じて係争棚上げの原則を打破し、日本に対する理論闘争と意志の対抗へと転換した。中国のこの転換は順調に完了し、国際世論もこの転換を中国の台頭とはリンクさせていない。これは釣魚島をめぐる対日実力対抗への伏線を敷くものだ。中日両国の実力は急速に消長しているため、日本が中国と実力で対抗しても長期的には少しも勝算がない。日本が中国に低姿勢を示すことを検討している大きな理由の1つとして、こうした戦略的計算がある。
第2に、今回の中日衝突によって釣魚島をめぐる主権争いの状況が実質的に変化した。釣魚島区域における中国の海上法執行部隊の常態的プレゼンスは、日本の釣魚島「国有化」宣言よりも、実質的な変化の意義を持つ。これによって中国による当該区域での一段と有効な法執行と釣魚島の実効支配に大きな展望が開かれたのだ。
実は中国は今回の闘争を通じて、最終的に釣魚島を取り戻すための伏線を法理と世論の両面で敷いたのだ。中国は自らの最も有利な時機を選んでさらなる行動を起こすことのできる状態にある。これまで釣魚島が穏やかか否かは主に日本次第だったが、今後は主にわれわれ次第なのだ。
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