次に、欧州も「野田、ありがとう」と言いたいだろう。欧州は米国のようにグローバルな地政学的戦略を重視してはいないが、中国市場という大きなパイは凝視している。欧州にとって日本と米国はこの市場における力強い競争相手であり、日本が自ら撤退すれば、喜んでその隙間を埋め、少しも惜しまず野田に心底感謝するだろう。中国市場におけるトヨタ、日産、ホンダの挫折は、ベンツ、BMWなどにとってはたちまちチャンスに変わる。
さらに韓国やロシアなどの周辺国も「野田、ありがとう」と言うだろう。日本は中国と戦わなければならないが、日本の力量では四方を敵に回すことはできず、韓国やロシアなどとの争いを緩和するか停止するしかないからだ。なれなれしく取り入る必要すらあり、こうした国々への圧力は緩和される。たとえばロシアは南クリル諸島に対する主権掌握をより悠然と強化できるし、韓国もこれを機に独島の支配を強化できる。実際に、韓国とロシアはすでにそうし始めている。日本はASEAN諸国もなおざりにするわけにはいかず、反対させないためには、どうしても「口止め料」を払わなければならないだろう。
このほか、中国国内にも「野田、ありがとう」と言う者がいるだろう。中国人民の目を開かせたうえ、中国国内にいる元々日本を好きでない者たちに日本を糾弾し、罵り、ボイコットする新たな理由を与えたからだ。
野田よ、あなたはよく考えたほうがいい。中国人の「腹いせの対象」にむざむざとなってはならないし、事実上日本の利益を売り渡す者にはなおさらになってはならないのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年10月10日 |