日本の丹羽宇一郎駐中国大使は今年6月に英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、いわゆる「島購入」について「計画が実行されれば、中日関係に重大な危機をもたらす」と述べた。この発言は、日本政府が大使交代を決める重要な原因ともなった。残念なことにその3カ月後、丹羽大使の忠告は不幸にも的中した。(文:張雲・新潟大学准教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
過去一カ月余り前から現在までの日本側の一連の言動は、日本が中国の国家意志を深刻に見誤っていることを物語っている。対中関係をどう処理するかは、日本の政治家にとってすでに不可避の課題となっている。
現在行われている日本の二大政党の党首選では、いずれも対中外交が重要な議題となっている。特に自民党総裁選の候補者5人は、この問題でそろって保守的姿勢を示している。筆者の記憶では、日本の国内政治で中国問題がこれほど重要な位置を占めたのは初めてだろう。
プラス面から見ると、今回の危機は日本に、国家戦略において中国をどううまく位置づけるかを議論する機会を提供した。マイナス面から読み解くと、現在の情勢の下、中日関係は日本の国内政治の犠牲になる恐れがある。
今回の「島購入」の茶番は、日本の国内政治の不安定性と政府の著しい権威不足を側面から反映している。いわゆる「国有化」は東京都が購入することによって起こり得る制御不能の事態を回避するためとの日本側の説明には、深い疑念を覚える。まさか中央政府が地方政府、それも一個人に手玉に取られるなど、笑い話も甚だしくはないか?周知のように領土主権問題は中央政府の専権事項であり、地方政府に越権行為は許されない。
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