外交学院国際関係研究所の周永生教授は「日本が米国務長官訪中の前日に釣魚島を購入したのは、米国のアジア回帰という有利な情勢を利用して自国の利益を図るためだ。また、中日間の釣魚島紛争において米国が日本の肩を持つことに疑いの余地はない。だが米国にとって、中日間で軍事衝突が起きることにはメリットがない。適切な緊張と対立の状態が続くことが、最も良いのだ。クリントン長官の今回の訪中は、中日間の摩擦を緩和するためだ」と指摘する。
日本の時事通信は北京発の記事で、中国政府の複数の対日外交責任者の話として、釣魚島問題の解決に関して中国側が日本政府に(1)上陸させない(2)資源・環境調査をしない(3)いかなる建造物も設けない--という3つの原則を提示したと報じた。周氏は「和解の書簡を渡す一方で、釣魚島を購入する。日本は中国の立場を軟化させようと、裏と表を使い分けている」と指摘する。
石原慎太郎東京都知事の釣魚島購入が成功した場合、日本の地方自治法では、石原氏の下で進められる観光、調査、施設建設など現状を変える一連の行動に対して、日本政府は全く干渉できない。日本側の釣魚島購入が引き起こした双方の緊張状態は、双方の管理・コントロールから脱することになる。
「このため日本政府は、いっそのこと自分が買い上げることにした。日本からすれば、これは誠意なのだ。日本が購入後に直ちに行動を起こすことはない。だが今後いつ行動を起こすかは日本政府次第であり、日本がより主導的な地位に立つことになる。さらに深刻なのは、こうして日本はいわゆる法理上の根拠をさらに多くつくり出せることだ」と周氏は指摘する。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年9月4日 |