2008年に出版された大型歴史ドキュメンタリー写真集『世紀の叫び--慰安婦生存者67人の実録』で、顔を覆って泣く李金魚さんの姿が忘れられない。李さんは14歳の時に、中国を侵略した日本軍に連行され、軍施設に閉じこめられ、日本兵に苦しめられた。2カ月後、家族はようやく借金をして彼女を請け出した。李さんは帰宅後3カ月間ベッドを離れられず、生涯出産できなかった。李さんは「私の一生は日本鬼子（日本人に対する蔑称）に台無しにされた」と訴えた。

宋さんと李さんは運良く生還したが、強制連行されたもっと多くの「慰安婦」は日本軍国主義者の発動した侵略戦争の中で、悲惨な死を迎えたのだ。日本外務省の文書によると、1938年から1939年の間だけでも日本軍が上海、杭州、九江、蕪湖、漢口など中国各地に設立した「慰安所」は少なくとも73カ所に上る。韓国政府の統計では1910年から1945年までに朝鮮半島の女性8万人から16万人が日本軍の「慰安婦」の身となった。

いわゆる「慰安婦」は実際には戦時性奴隷である。「慰安婦」問題の否定は、歴史の否定にとどまらず、人間性の消滅である。こうした不幸な女性の中には、未成年の少女が数多くいた。彼女らは集団強姦され、強制中絶させられ、不妊手術を余儀なくされ、傷つけられ、殺された……。戦争中の日本軍による女性への凌辱暴行は人々を激怒させるものだ！

日本による歴史の否定と改竄は今日に始まった話ではない。「河野談話」発表後、日本の7つの教科書が「慰安婦」の史実を掲載したが、2007年にはわずか3つが「慰安婦」について曖昧な記述をするのみで、残りは全て記述を削除した。この1年、米国、オランダ、カナダ、欧州議会で「慰安婦」問題決議案が相次いで採択された。当時メディアは、日本が「慰安婦」問題を正視しないことを国際社会は注視し、平和を愛する全世界の人々は強い憤りを覚えていると指摘した。

小説家出身の石原はまるで日本の中国侵略の歴史を否定する「でたらめな小説」を書いているかのようだ。そして日本政府の一部中核的人物は「石原小説」の主人公や書き手になったようだ。歴史を否定する日本のこの邪悪な動きは、断じて継続を放置すべきでない。（編集NA）

「人民網日本語版」2012年8月30日