日本の外交戦略に問題が生じたことが、中日関係緊張の根本的原因だ。中国の台頭は中華民族にとって不遇な運命を経験した後の歴史的な爆発、アジア太平洋およびグローバルな地政学の変動による巡り合わせの結果であり、歴史の大勢と言える。だが日本の戦略はこの大勢に対して余りに防衛的、排斥的であり、自発的に勢いに乗ろうとする姿勢を欠く。このため中日両国がどんなに具体的な努力をしようとも、相互信頼を築けないのだ。
中国社会に与える印象では、日本は完全に米国の側につき、米日が連携して中国の台頭を抑え込むという「共同体」を形成している。日本の対中友好時代は過ぎ去った。現在の日本の中国に対する敵意は、米国よりも深刻だ。韓国は中米間でバランスを図る意向を度々表明しているが、このような意向は日本からはますます聞かれなくなっている。日本は韓国よりずっと中国から遠ざかり、米国とずっときつく結ばれている。
これは中国の利益に合致しないし、実はそれ以上に日本の利益に合致しない。日本の戦略上の空間を制限し、より良い地政学上の立ち位置から日本を遠ざけているからだ。日本は中米間の中間の位置にできるだけ歩み寄ってみるべきだ。そうしてのみ日本は戦略上の自由度を高め、国の発展のためのリソースを大量に手に入れることができる。日本の戦略の展望は一新されるだろう。
21世紀のアジア太平洋にとって最大の危機は中米間に戦略的対立が生じることだ。中国も米国もこのような対立の出現は望んでいないが、共に相手国を強く警戒し、戦略面の疑念を深めている。日本はこれまで「米国一味に入り」、中米摩擦に加勢し、米国による中国封じ込めの最前線の道具になってきた。日本はこうしたやり方を根本的に改め、米国の対中政策の支援者から中米間の架け橋へと変わり、中米衝突を防止する「戦略の仲立ち」となるべきだ。アジア太平洋はこのような役割を必要としているし、日本は最もその能力がある国だ。もしこの役割を担えば、日本は歴史のニーズに順応し、国の発展に向けた様々な潜在的機会が活性化され、充実した有望な未来が切り開けるだろう。
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