昨日の北京のこの「襲撃者」がなぜ丹羽大使の車から国旗を引き抜いたのか、われわれにはわからない。日本の外交政策への不満の表明と日本への激しい怒りの浅薄な表現のためなのか、それとも政治とは全く無関係の、われわれには推測できない理由によるものなのか。
だがこの時期のこうした行動を、世論は自ずと中日の緊迫した外交関係とリンクさせ、中国人の日本への不満の表明と結びつけて捉えている。こうした結びつけは中国の大衆の文明的なイメージを傷つけ、中国の国家イメージも傷つけることになる。今回の事件で最も得をするのは日本右翼だ。日本の反中分子は今回の事件を利用して、しばらく言いがかりをつけるに違いない。
日中間の争いは将棋であり、匹夫の勇に頼っては中国は何も成し遂げられない。中国には西太平洋で日本やその背後の米国と駆引きをする大きな勇気と知恵が必要だ。この地域では厄介なフィリピンとベトナムもあり、中国の台頭を抑え込もうとする様々な野心がある。乗用車から日本国旗を引き抜くのはいたずらっ子のままごと遊びのようなものだ。われわれが引き抜かなければならないのは、某勢力が中国周辺地域で振り回している目に見えない旗なのだ。
中国の発展はすでに多くの外部勢力が不愉快に思い、危機感さえ抱く段階に達している。中国の対外摩擦は今後増加し、一部は先鋭化する可能性が高い。中国の大衆は観覧席で気をもむばかりで手を出せない観衆ではもはやなくなる。われわれの参与は事実で、しかも重みのあるものだ。われわれは外交競争の背後で世論の雰囲気を形作る重要な存在なのだ。
中国が外国との肝要な駆引きでより主導的になり、より優勢に立つこと。これは圧倒的多数の中国人の願望であり、われわれにはこうした局面の出現を促す力もある。われわれは揺るぎなく団結し、いかなる時であれ相手に中国を攻撃する弱みを握られたり、口実を与えないようにしようではないか。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年8月28日 |