日本メディアが19日に伝えたところによると、日本政府は丹羽宇一郎駐中国大使(73)を今年10月にも交代させ、後任に外務省の西宮伸一外務審議官(60)を起用する。
民主党政権はかつて、「脱官僚依存」の象徴として民間出身の丹羽氏を中国大使に任命した。中国の政界・ビジネス界に幅広い人脈を持つ丹羽氏による中日経済交流の推進と、中日間の敏感な政治問題の解決が期待されたが、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題をめぐって両国の対立と矛盾は悪化の一途をたどり、日本政府は職業外交官を起用することで事態により良く対応できると判断した。日本メディアは今回の大使交代を、「民主党政権が進めた『脱官僚』の軌道修正を象徴する人事」と指摘している。
丹羽氏は今年6月、東京都が釣魚島の購入を計画していることを「日中関係に極めて深刻な危機をもたらす」と批判。日本国内から反発の声が上がっていた。丹羽氏はすぐに発言を撤回したが、野党はその後も丹羽氏の更迭を要求し続けた。丹羽氏が7月16日、外務省に召還され一時帰国した際も、まもなく更迭されるのではと噂された。
あるアナリストは、「中日関係悪化の原因として、1つには右翼勢力による故意の挑発と破壊行為がある。彼らは二国間の敏感で脆弱な問題ばかりを大げさにあおりたて、政府間および国民関係の悪化と対立を招いている。もう1つには、民主党政権の未熟な外交戦略がある。外交方針に一貫性が無く、問題が起こった際の適応性と外交の知恵に欠ける。丹羽氏は『スケープゴート』になっただけだ。大使を交代するだけでは両国関係の現状を改善できない」と指摘する。(編集SN)
「人民網日本語版」2012年8月20日 |