村山富市元首相は在任期間中、中国などアジア諸国に対する「侵略」と「植民地支配」の歴史を日本政府として初めて認めた「村山談話」を発表したことから、中国で「良知ある政治家」として知られている。今年88歳になる村山元首相はすでに政界から引退したが、中国を年に数回訪問し、中日友好を深め、両国民の相互理解を増進し、自身の最後の光と情熱を余すことなく捧げている。関係発展や歴史問題などに対する考えを聞いた。中国紙「第一財経日報」が伝えた。
▽戦略的見地から日中関係の重要性を認識する必要がある
「中国はアジア、そして世界の中心となった。これは止めることのできないすう勢だ。中国は貧しい国から世界第二の経済大国へ、わずか30年で上り詰めた。今後の世界にこのような猛烈な発展をする大国は、二度と現われないと思う。よって私たちは中国の発展を受け止め、中国の強大化に期待する必要がある」
「日本は自分がアジアの一員だということを忘れてはならない。アジア諸国と呼吸を合わせ運命を共にし、緊密な信頼関係を構築することこそ重要だ。中国が発展すれば日本も発展する、と私は最近さまざまな場で言い続けている。両国関係は実際、すでに運命共同体となっている。よって日中関係と正しく向き合い、戦略的見地から日中関係の重要性を認識することが、極めて重要な課題だ」
▽歴史問題
「首相在任中の1995年はちょうど日本の終戦50周年だった。総理大臣(首相)になって、今やらなければ、この先もチャンスはないだろうと思った。長年政権を担ってきた自民党政権に、こんなまねはできない。過去の日本の歴史と責任に対して総括し、先人を慰めると同時に、後人を教育する。当然、この総括は私個人の総括であってはならず、日本政府の総括であるべきだ。よって私は『総理談話』を発表し、その後私の苗字にちなんで『村山談話』と名付けられた」
▽中日協力
村山元首相「昨年北京を訪れた際、北京がますます美しく、街並みがより現代的になったと感じた。しかしラッシュ時には自動車が渋滞し、大気汚染もひどく、環境保護が大きな問題となっている。国は、建設ばかりでなく、保護も必要だ。中国の政府要人と会談した際に、環境保護がよく話題に上る。中国政府もこの問題を非常に重視しており、思うように進まない環境対策に頭を悩ませているようだ。この分野で、日本はより進んだ技術やノウハウを有しており、両国には協力の余地が大いにある。協力がうまくいけば、両国民に幸せをもたらすことができる。よって日中両国の協力は、多くの可能性を秘めている」(編集HT)
「人民網日本語版」2012年8月10日 |