第2に、自民党一党支配から民主党政権への大変化によって、政治家の当選・政権運営環境が変わった。自民党の党内エリートが内政、外交政策を牛耳る状況は1993年に終結し、派閥政治の色彩が薄まり、党と派閥に対する政治家の依存度も下がり、直接有権者の歓心を買う必要性が高まった。
「バブル」後の低迷の中、日本の新しい世代の政治家が内政で大きな成果を上げるには、外交上のいかなる失点の可能性も減らすことが必須となった。外交上の保守と強硬が政治的安全を意味し、内政に注ぐための力をより多く確保できることも意味するようになった。これは中日関係にある程度の犠牲をもたらした。国内政治のモデル転換が次第に完了すれば、政治家たちは中長期的な対外戦略を検討するための力をもっと得られるかもしれない。
第3に、日本の民間は対外問題に対して脆弱で敏感になったが、中日友好を望む社会基盤は根本的に変化していない。冷戦後の20年間、日本経済の成長力不足、政治決断の遅さ、首相の頻繁な交代に、国民は希望を見いだせずにいる。「経済大国」アイデンティティーの喪失に茫然とする中、対外関係において人々は過激な考えや報道にミスリードされやすくなっている。もちろんわれわれは、戦後60年余りの日本の社会的安定にも目を向ける必要がある。これは評価に値することだ。原発反対運動や核兵器撤廃運動からは戦後の平和主義思潮が感じられる。世論調査の結果は人々を失望させるものだが、日本国民の大多数は中日友好を望んでいると信じて良い。
現在日本は対外戦略から国内政治・社会までの重大な転換期にあり、その山場を迎えつつある。日本にとってこれは国家アイデンティティーを再構築する苦難に満ちた過程であり、国の目標を再建する新たな探求である。この大きな転換の中で中日関係は厳しい試練を受けている。見識ある日本の政治家は長期的観点に立って、大戦略における中国の位置づけををしっかりと行い、国内で早急にコンセンサスを形成すべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年8月9日 |