「日本政府は丹羽宇一郎駐中国大使を9月に交代させる方針をすでに決めた。現在後任の調整を急いでいる」とのニュースが23日に日本で瞬く間に広まった。産経新聞は「日中国交正常化40周年が大使交代のいい区切りだ」「新旧大使の引き継ぎは日中共同声明発表40周年記念日の9月29日以降に行われる」との外務省幹部の話を伝えた。だが藤村修官房長官は23日午前の定例記者会見でこうした報道を「事実ではない」と否定した。人民日報系の国際情報紙「環球時報」が伝えた。
今月15日に外務省が丹羽大使を突然帰国させたことで、日本メディアは「丹羽大使交代」説を騒ぎ始めた。産経新聞は23日、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題での丹羽大使の「中国寄りの姿勢」が政府の釣魚島「国有化」にとって障害となっており、今後「国有化」を進める過程で中国側の反発が強まることは必至だが、丹羽大使の姿勢は政府の方針と矛盾することから、政府は9月の通常国会会期終了後の交代を決めたと報じた。
「日刊ゲンダイ」も23日、玄葉光一郎外相は今月中旬に丹羽大使を呼びつけた際に「人事の話はしない」と述べたが、「これを信じるアナリストはほとんどいない」と報道。丹羽大使更迭は外務省内の権力闘争に波及する可能性もあると指摘して「外務省内では佐々江賢一郎事務次官が自らが次期駐米大使に就任するために、丹羽氏を辞めさせて、その後任に最大のライバルである薮中三十二前外務事務次官を就かせることを望んでいる」と報道。「いずれにせよ丹羽氏の人事異動はすでに政府の既定路線となっている。だが政府はその更迭と他の外務省幹部人事を同時に行うことで、影響を薄めようとするだろう」と指摘した。
だが日本政府各方面はいずれもこれを否定している。日本外務省報道官は環球時報の23日の電話取材に「まず人事問題については、われわれは何も言えない。『政府が9月に駐中国大使を交代させる』との産経新聞の報道は決して事実ではない」と回答。在中国日本大使館の吉田光行報道官も環球時報の取材に、こうした報道は事実でないと語った。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年7月24日 |