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中日両国には「和して同ぜず」が必要 中国日本語学会会長

 「しかしこうした共通点の裏には、多くの相違点も存在することを忘れてはならない。共通点ばかりを強調しては、相違点とどう向き合えば良いか分からなくなる。西洋人に対しては、違うのが当たり前で、自分から理解を示す必要があると考えるが、同じ文化圏の日本だと、どうして違う考え方をするのだというふうになり、誤解を招きやすい。そのため、共通点と同時に、相違点にも目を向ける必要がある。違いを知ってこそ、日本や中国がどういう国なのか理解することができる」

 「具体的には、中国と日本の文化にどのような違いがあるかというと、日本人は単純なことを繰り返し、質を極限まで高めるのに対し、中国人は非常に複雑なことをいとも簡単にやってのける点がある。例えば、学生によく話す例を挙げると、中国が誇る雑技は一般人にはとてもまねできないが、雑技団の団員はいとも簡単にやってのける。一方、日本が誇る日本舞踊や茶道は、誰でもまねできる非常に単純な動作だが、日本人はそれを生活の中に落とし込み、何度も繰り返すことで、質を極限まで高める。茶道や日本舞踊の先生について稽古し、動作がうまくできるまで何度も繰り返す。簡単そうにみえるが、玄人なら熟練度がひと目で分かる。こうした特徴は日本の製品や企業文化など社会の隅々にいきわたっている。動作自体は中国人にもできるが、それをわずかな抜かりもなく継続するというのは、日本人ならでは特徴だ」

 「日本で電車に乗ったときは、よく一番前の車両で運転手の様子を眺めていた。運転手はもみあげに白髪が交じっていて、運転暦数十年のベテランという感じだが、発車の際には毎回、信号を確認する動作を欠かさない。しかも少しもいい加減にしない。中国人の運転手はどうだろうといつもふと考える。中国の現状についてはよく知らないが、訓練生なら初めの3日間は言い付けを守って確認動作を行っても、しばらくすれば『目ではっきり確認したのだから』と目視だけで済ませ、動作を省いてしまうような気がする。これは典型的な文化の差異にほかならない。日本人は単純なことを一生涯繰り返し、質を極限まで高める。どんなささいなことでもなおざりにしない。一方、中国人は複雑なことをいかに簡単にやってのけるかを追求し、自分の能力や知力がどれだけ高いかを証明しようとする」

 「両国の文化にはそれぞれ特色や強みがあるが、相違点に目を向けることが必要だ。人付き合いと同じで、相違点こそ互いに学び合える部分にほかならない。孔子が『君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず』と説いているが、国同士でも同じだ。いずれも優れた文化であれば、必ず多くの相違点がある。相違点があってこそ、文化として成り立つ。ならば、互いの文化を認め合い、学び合うことが必要となる。こうした学び合いの中で『和して同ぜず』を実践するわけだ。同ずることだけに目を向ければ、何か問題が生じるたびに争いが起こってしまう。それでは小人と変わらない。国同士の付き合いは、『君子の交わり』を心掛けるべきだと私は考える。そうしてこそ対等で調和の取れた関係を築くことができる」 (編集YT)

 「人民網日本語版」2012年7月13日

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