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北京週報>>中国と日本  
中日友好交流の新たな1章

                              劉幸宇(神戸学院大学)

 

日本列島が春爛漫の季節、笔者は唐勝春氏の新著『日本名勝中国淵源』(日本語名『中国ゆかりの地』)を手にした。同書は2012年3月に日本の中文導報出版社と香港の今日出版社から共同出版されたもので、本文約28万字に387枚の写真が添えられ、日本の観光庁長官が序文を寄せている。本文は北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄の9つのパートに分かれ、さらに附録と後書きがある。

 

 

 著者は1966年、上海に生まれ、復旦大学修士課程を修了後、東華大学で修士の学位を取得した。中国農牧漁業部東海区漁政局、日本貿易振興会上海事務所、三菱商事上海代表処などに勤務し、2009年に上海市外国投資促進センター日本代表事務所首席代表として大阪に赴任、2012年7月からは上海日本中小企業産業園副総経理を務めている。著書に『上海産業景観解読手冊(上海産業景観ガイドブック)』、『日本企業上海尋踪-日本企業の足跡めぐりin上海』などがある。

同書は初めて中国人の学者によって書かれた中日友好交流史に関する日本名勝古跡の専門書で、著者が長年にわたって探求してきた地誌学理論における「産業景観」と「中国ゆかりの外国の名勝古跡」分野の研究成果である。著者は中日間の経済貿易業務に携わって18年、一貫して中日交流の資料と情報の研究と収集に努め、日本文化や産業、観光についての専門図書300冊余り、関連図書資料合計1000冊余りを収集した。本書は「中国ゆかりの日本の名勝古跡」を主軸に、古代に日本へ渡来した中国人の先祖から、秦の始皇帝の使者徐福、後漢の阿知王、唐朝の楊貴妃、明朝の遺臣朱舜水、明末の戦将鄭成功、遣隋使と遣唐使、さらには近代の孫中山(孫文)、梁啓超、魯迅、蒋介石など歴史上の人物の日本における遺跡や遺物を整理し、2000年余りにわたって中国の儒家思想や仏教、文化、科学技術、人物が日本に与えた影響と途切れることなく続いてきた中日間交流を、写真と文章で描いている。同書は写真が豊富で文章も優れた観光ガイドブックであるだけでなく、中日関係史研究に携わる学者の参考に供することもできる得がたい学術書でもある。

著者の研究態度は厳格で、主観だけに頼らず自分の目で確実に見ることを重んじ、実際に現地に出向いて視察し、撮影を行っている。その著作過程は、まず図書館で資料を閲覧して名勝一覧表に整理し、概要を作ってから、現地を訪れて視察や取材をするというものだ。北は知床半島から南は沖縄首里城まで、その足跡は列島の至るところに及び、行程は1万キロを超えた。同書に掲載されている9大エリア223カ所の観光地のうち現地取材をしていないのはわずか数カ所で、実地視察取材率は全体の90%以上を占めている。著者は日本列島を1万キロ以上旅した最初の中国人学者だと言えるだろう。

著者は中日両国の友好が世々代々にわたって続くことを切実に望み、両国国民が断ち切りがたい絆――中国ゆかりの日本の名勝古跡を通じて相手に対する理解をいっそう深め、民間友好交流を促進することで東アジアの繁栄と発展を推進することを心から願っている。

今年は中日国交正常化40周年に当たり、両国の経済文化交流はますます頻繁になっている。『日本名勝中国淵源』の中日両国における出版で、百花繚乱の中日文化交流の花園に美しい花がまた1つ開いた。

「北京週報日本語版」2012年7月11日

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