台湾漁船「全家福」が昨日、釣魚島(日本名:尖閣諸島魚釣島)周辺海域に入った。同船は一時、釣魚島の約600メートルまで近づいた。中国の台湾の巡視船4隻が護衛し、日本側巡視船と衝突した。釣魚島をめぐる日本の意気込みは今も減退していない。だがこうした事態に、日本の望まぬ新たな変化が生じた。7月1日に日本の海上自衛隊はロシア海軍艦隊が宗谷海峡を東に向けて通過するのを確認した。同3日、ロシアのメドベージェフ首相が南クリル諸島(日本名:北方四島)の国後島を再び視察し、日本側を大いに立腹させた。これらの事件はいずれも、釣魚島など周辺島嶼をめぐる争いにおける最近の日本側の過激で偏った動きと関係がある。まさに日本の少数の保守派を中心とする過激な主張と政府の「不作為」が、周辺国と地域に警戒心を抱かせ、多少の対応をせざるを得なくしているのだ。(文:庚欣・日本JCC新日本研究所副所長。「環球時報」掲載)
40年前に台湾の学生が米国で始めた「釣魚島防衛」運動によって、人々は初めて釣魚島問題に感心を抱くようになった。当時「釣魚島防衛」組織にいた若く英俊な学生こそ、今日台湾の「トップリーダー」である馬英九氏だ。釣魚島は中国の領土であり、具体的には台湾宜蘭県の一部だ。これは馬英九氏の博士論文のテーマでもある。釣魚島に対する台湾の行動には理由があり、筋が通っていると言える。「釣魚島防衛」運動は政治・外交面で両岸初の暗黙の協力と言える。今日両岸はすでに「三通(直接の通信・通航・通商)」を実現している。自らの領土主権を守ることは両岸人民共通の利益であり、感情的な要請だ。釣魚島問題における日本の動きの一つ一つが両岸人民を刺激し、心を一つにし、力を合わせる方向へ向かわせている。中国大陸部では政府の冷静な掌握とコントロールの下、今日にいたるまで官民共に強烈な反発の動きはないことに人々は注目している。だが台湾の官民は自らの心に従い、正当な反応をしている。日本であれ米国であれ、これを尊重しなければならない。そして中国の現実的利益も、日本を度々「刺激」してみることを中国の民間に求めてもいる。
実は台湾の民衆は日本がとても好きだ。東日本大震災後、台湾の民衆は世界で最も多額の義援金を寄せた。少数の日本人はかくも台湾人民の気持ちを顧みず、日本政府はかくも正常なガバナンス能力を欠き、少数の者が事態を操ってもめ事を起こすのを放任している。このままいけば日本はどんどん受け身に立たされることになる。第1に中国大陸部人民の感情を害する。第2に台湾民衆を怒らせる。第3にロシアや韓国など周辺国が警戒を抱き、日本との駆引きに対する姿勢を強化するようになる。第4に地域や国際社会で日本の自任する「平和発展国家」とのイメージが壊れ、他の国々も日本に対する見方を変えるようになる。
釣魚島問題をめぐる日本の動きは自らを罠をかけるものであり、非常に近視眼的な政治・外交ミスだ。すぐにブレーキをかけなければ、自らに極めて不利な結果を招くことは必至だ。周辺国や地域の人民も、もちろんこうした状況は歓迎しない。平和的発展の構造によって、すでにみなが「同舟相救う」パートナーになっているからだ。日本は直ちに根本からやり方を改めるべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年7月5日 |