2012年は中日国交正常化40周年に当たる。では、近年、中日関係はどのように変化しているのだろう。筆者はこのほど、中国国家観光局東京駐在事務所の張西竜首席代表を取材した。張首席代表は「最近10年、中日観光交流の発展は質的変化を遂げ、中国にとって日本は最大の観光市場となり、日本にとっても中国が急速に成長し、巨大な潜在力を持つ観光市場となっている」と指摘した。中国共産党の機関紙「人民日報」のニュースサイト「人民網」が報じた。
張首席代表のコメントの要旨は以下の通り。
最近10年、中日観光交流の発展は確かに質的な変化をもたらした。この変化には幾つかの分野がある。まず、日本はというと、2003年に外国人旅行者の訪日促進活動「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を制定。05年に中国に対して、それまで限られた3市5省のみに発給していた団体観光査証(ビザ)の発給対象地域を全土に拡大した。そして昨年7月より、中国人向けの査証の発給に関する政策をさらに緩和、複数回日本を訪れる際、最初の旅行で沖縄を訪問することを条件に、3年の有効期間内なら何度でも使用できる数次査証(ビサ)を発給するようになった。これらは日本の中国に対する観光政策が本質的に変化したことを表している。
同様に、訪日中国人観光客も増加を続けている。中国国内の経済が発展を遂げ、社会や国民個人が豊かになるにつれ、中国の一般国民も海外旅行に行きたいという願望が生まれ、ニーズができた。これらを背景に、訪日中国人観光客は急速に増加し、わずかここ10年の間に、その市場は倍増したと言っていい。
日本と中国の国交が正常化して以降、中国にとって日本は常に最大の観光市場となって来た。そのトップの座は05年に一旦は韓国に譲ったものの、今年の状況から見ると、トップの座を奪回する可能性がある。一方の訪日中国人観光客の発展状況は、▽発展の速さ▽発展の勢い▽発展の規模‐‐などの点で、観光業界の予測をはるか上回る成長を見せている。
もし日本政府が中国人向けの観光政策を適切かつ客観的・現実的に調整すれば、さらに早い発展を遂げるだろう。中国にとって日本は最大の観光市場で、日本にとっても中国は急速に成長し、巨大な潜在力を持つ観光市場と言える。両国の観光は過去の一方向の発展から、相互補完的な双方向の発展へと本質的な変化を遂げている。(編集KN)
>>【「中日間の観光は安いほど良いとは限らない」中国観光局(東京)代表】
「人民網日本語版」2012年6月27日 |