日本企業(中国)研究院の執行院長で、日本問題を専門に扱うコラムニスト・陳言氏が21日人民網を訪問。中日国交正常化40周年をテーマに自らの考えを語り、「経済的な相互補完性が両国の社会を経済的に豊かで安定した非常に良い発展期に導いている」との見方を示した。「人民網」が報じた。
陳氏のコメントの要旨は以下の通り。
中日関係発展の主流について語ると、恐らく中国の事が多くなるだろう。日本の過去を振り返って見ると、日本には今、「失われた20年」、「失われた10年」という言葉がある。しかし、日本人は本当に失業したか、食べる物や着る物に不自由しているかと言うと、決してそうではない。発展が急速に減速したと言っても、日本の国民は依然として裕福で、社会は非常に安定している。ニューヨークマンハッタンの金融地区「ウォール街」などで騒ぎを起こす米国人や英国人のような日本人は見たことがなく、非常に落ち着いている。それで、西洋資本主義国を採用している国の中で、日本の社会はなぜこれほどに平穏なのかということを考えてみたい。実はこれは中国と大きな関係がある。中国経済は急速な発展を遂げたため、日本に巨大な投資の場や商品販売の市場を提供するようになり、それがかなりの程度で日本の発展を支えているのだ。
もう少し過去に遡って見ると、資本主義社会全体は70年代に入って基本的に発展が停滞し始めた。経済的な意味で、通常「黄金の30年」と呼ばれる1945年から1975年、資本主義社会全体が非常に大きな発展を遂げた。しかし、1972年ごろからオイルショックが始まり、1975年になると西洋の発展は停滞し始めた。一方、日本はと言うと、80年代後半から90年代初期にかけて「バブル景気」を経験するなど、経済の停滞は見られなかった。その期間、日本はなぜ発展し続けることができたのか。それは中国がちょうど1978年に改革開放を実施した時期と重なったからだ。中国が日本経済の発展をかなりの程度支え、日本がバブル崩壊を経験しても、英国や米国のような社会混乱を招かず、依然として平穏な状態を維持できるようサポートして来たのだ。
一方、日本との経済交流により、中国の国民は裕福になってきた。中国国民は衣食に困ることはなくなり、旅行に出かけたり、車やマイホームなどを購入したりすることが普通にできるようになった。これは30年前には想像もつかなかったこと。日本の社会は非常に平穏で、ほかの西洋諸国とは全く異なる。もし西洋諸国であれば、国が大きな財政赤字を抱えると、ギリシャのように国民が黙ってはいない。しかし、このような状況に陥っている日本を見たことがないし、そのようなことは起こりもしない。このように、中日関係においては、経済的な相互補完性が両国の社会を経済的に豊かで安定した非常に良い発展期に導いている。中日関係発展の主流とは何か。私は中国と日本が1972年に国交正常化して以降、両国の関係が好転し、その結果裕福で安定した社会を生み出したということを強調したい。我々が今日、中日国交正常化40周年を語るとき、決して忘れてはならない点だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年6月25日 |