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北京週報>>中国と日本  
馮昭奎:加藤氏は南京虐殺の史実を受け入れるべき

                        文=中国社会科学院栄誉学部委員 馮昭奎

 

先だって、中国在住の日本人作家・加藤嘉一氏が著書の発売記念サイン会において、読者からの質問に対し「当時、日本軍が南京で行なった事件について、私はよく分かっていない」との趣旨を発言したことが大きな波紋を呼んでいる。加藤氏は6月8日夜、甘粛農業大学で講演を行なう予定になっていたが、甘粛省教育庁は当然ながらこれを中止する決定を下した。同氏は中日文化交流に積極的な貢献を行ったが、日本の侵略戦争に対する曖昧な態度を示している。その歴史認識にはどういった背景があるのか、我々中国人としてはよく反省しなければならない。

優れた調査研究を行なうことで、中国の若者から歓迎を受けている学者兼作家の加藤氏。だが、中国人なら誰もが知っている不動の史実に、「分からない」とのコメントは我々を唖然とさせた。そのコメントには2つの可能性が含まれていると思う。一つは、日本の侵略戦争に対する知識が少ないこと、もう一つが、分からない「ふり」をしたということだ。

もし前者であるならば、受けてきた「教育」の違いによる、中日間の歴史認識の相違が原因だと考えられる。当時、中国の教育現場で「過去の屈辱、忘るべからず」の態度で青少年の育成に当たった頃、日本では戦後第2世代、3世代の青少年に対し、事実を隠匿し、史実を捻じ曲げた教育を施してきた。これこそが中国に甚大な危害を与えた過去に対する認識を中日間で相違させている原因となっており、今でも中日両国民の交流に障害をもたらしている。今回の加藤氏のような歴史認識を巡る軋轢は今後も何度も起こるであろう。その度に中日両国民の友好にヒビが入るというわけである。

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