今回のいわゆる釣魚島「視察」は11日の衆議院「決算行政監視委員会」会議に向けた準備とも見られている。会議では石原慎太郎東京都知事の「島購入」劇が議題になる見通しだ。中日国交正常化40周年にあたり、日本右翼が続けざまに打ち出している釣魚島をめぐる言動は、表面上は中日関係を汚すものだが、実際には私利を図るためなのだ。「中国之声」が伝えた。
11日の衆議院決算行政監視委員会では石原慎太郎東京都知事、中山義隆石垣市長など右翼4人が顔を揃え、沖縄県石垣市のいわゆる「釣魚島保護」について意見を述べる。石原氏の島購入計画および政府の参加の是非が議題になると日本メディアは見ている。
石原氏らの島購入のどたばた劇の大きな原因として、新党結成構想があると分析される。釣魚島問題で大騒ぎをしているのは、民族感情を煽り立て、右翼勢力と中間勢力の支持を勝ち取り、新党結成に向けたムードを盛り上げるために過ぎない。だが中日関係の安定を犠牲にして個人の政治的資本を追求するこうした彼の行為は、国内の有識者から批判されてもいる。例えば、中日関係の最前線にいる日本の丹羽一郎駐中国大使は島購入のどたばた劇に反対の声を上げて、ただちに日本政府の敏感な神経に触れた。
■中日間の暗黙の了解に背くもの
上陸をわめき立てたり、魚釣り大会を開催したりと、日本は小芝居を大げさに演じ、小細工を次々に弄している。「中国之声」特約オブザーバーの丁兆林教授は、本日(10日)のどたばた劇によって日本右翼の一部が公益よりも私利を重視していることが明らかになったと指摘する。そしてこれは中日の政治家がこれまでに合意した政治的な暗黙の了解に背くものだという。
丁氏は「彼には自らの政党を結成する目的があり、より多くの支持を必要としている。こうした騒ぎを起こすのは、完全に私利を秤にかけてのものだ。中日関係全体に立ったものではない。これはたとえ日本の国益に立って考えたとしてもだ。これは過去30年の間に中日両国の政治家が合意した政治的な暗黙の了解にさえ背くものであることがわかる」と指摘する。
島購入のために東京都が募集した寄付金は10億円を超えた。先月の民主党の全体会議では党内意見を統一すべく島購入問題が話し合われた。各党派の議員の9割以上が島購入に態度保留または反対で、意見の開きは大きいとされる。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年6月11日 |