鈴木部長は市場の見通しについて述べる中で、日本企業の人民元建て決済量は増加し続ける勢いにあり、今後はこの決済業務の量が拡大を続ける見通しだ。みずほは日本円と人民元の直接交換市場に積極的に参加し、この市場の継続的発展を後押ししていく。また顧客の需要に応じて、日本での人民元建て預金・貸出業務や人民元建て先物為替取引といった関連業務を引き続き展開していく、と述べた。
中日金融市場に詳しい日本の大和総合研究所の金森俊樹エコノミストは書面での取材に応える中で次のように指摘した。人民元・日本円の直接交換および先に日本政府が承認を受けた中国国債の購入は、中日の財政金融協力における2つの大きな措置であり、東京のオフショア人民元市場の育成にとってもプラスになるものだ。中国は日本にとって最大の貿易パートナーであり、日中の経済貿易往来がますます密になっていることを考えると、ロンドンよりも東京の方がオフショア人民元市場を受け入れる力と潜在力をより多く秘めているといえる。
前出のケイ予青エコノミストも次のように話す。人民元と日本円との直接交換が実現することは、人民元が国際化に向けて歩み出した重要な一歩とみなすことができる。また日本円や人民元を含むアジア諸国の通貨のグローバル経済・貿易に占める地位が向上することにつながる。米ドルやユーロの不安定性が強まっている今日において、日中が通貨協力を深めることは、世界の通貨システムに大きな影響を及ぼすことであり、アジアの経済体がグローバル経済の中で影響力や発言権を高めていく上でプラスになることだといえる。(編集KS)
*ケイ:「おおざと」に「形」の旁
「人民網日本語版」2012年5月30日 |