日本の海上自衛隊の練習艦3隻が28日、5日間の「友好訪問」のためフィリピンに到着した。太平洋・島サミットの開催に続く、「中国牽制」の新たな行動とメディアは指摘する。フィリピン軍当局はこの訪問と現在の中国との黄岩島(スカボロー礁)事件との関係を懸命に否定し、日本政府もこの事件については固く口を閉ざしている。だが黄岩島事件がまだ収束しない中、南中国海問題における日本の続けざまの動きは、否応なく外部に様々な疑問を抱かせるものだ。
■日本の軍艦3隻がフィリピン到着
フィリピン情報局(PIA)は27日、日本の練習艦3隻が「友好訪問」のため28日に同国に到着するとウェブサイト上で発表した。海上自衛隊のかしま(TV-3508)、しまゆき(TV-3513)、まつゆき(DD-3508)だ。28日にはマニラ湾のコレヒドール島で会議、29日にはフィリピン海軍による歓迎式典が行われる。海上自衛隊幹部はマニラ警察局、フィリピン港管理局、フィリピン沿岸警備隊、フィリピン税関、フィリピン海軍などを訪問する。
フィリピン・スター紙は日本が軍艦のフィリピン訪問に先立ち、フィリピンへの巡視船10隻の供与と海事・領土防衛能力強化の支援を発表したことを指摘した。だがフィリピン軍当局は、日本の軍艦の訪問と現在起きているパナタグ礁(黄岩島、スカボロー礁)をめぐる中国との睨み合いには何の関係もなく、型通りの訪問だとしている。フィリピン・スター紙の報道によると、かしまは排水量4050トン、全長143メートル、乗員360名で、76mm速射砲1基、3連装魚雷発射管2基を備える。しまゆきとまつゆきは排水量3050トン、乗員200名で、76mm速射砲1基、20mmファランクスCIWS2基、対艦ミサイルシステム1基、対潜ミサイル発射機1基、3連装短魚雷発射管2基を備える。フィリピンメディアは日本の軍艦の性能の説明に大きな紙幅を割いた。これは少し前に米軍のバージニア級攻撃型原子力潜水艦ノースカロライナが同国を訪問した際とそっくりだ。当時もフィリピンメディアは原潜の性能について筆を惜しまず説明したうえ、原潜の訪問と黄岩島事件を関係づけるべく全力を挙げた。
■「中国牽制」の意図は明らか
フィリピン側は極力覆い隠そうとしているが、今回日本の軍艦がこのような情勢の下でフィリピンを「友好訪問」することの目的は言うまでもない。タイ国立開発行政研究院(NIDA)政治学部の教授は取材に、今回の訪問について、第1に米比同盟への支持を表明し、米日海軍の戦略の一致を顕示する目的、第2に中国と島嶼や海洋主権を争う日比同盟を構築する狙いがあると指摘した。
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