東日本大震災の影響を受け、2011年に日本を訪れた中国人の数は約104万人に留まり、前年の140万人から大幅減となった。昨年11月より、中国人観光客数が「V字回復」に向かい、月を追うごとにその数が増加した。日本観光庁はまた、2012年の訪日中国人観光客数の目標を延べ180万人とした。これは中国人観光客が、日本の消費市場の刺激剤、地域経済振興の重要な力となっていることを示す。日本各地はさまざまな対策を講じ、中国人観光客を引きつけようとしている。総合中国語新聞「中文導報」が伝えた。
◆長野県、官民一体で「長野ブランド」を樹立
日本国内の観光市場の低迷を受け、長野県を中心とする信州観光が、外国人市場に活路を見出そうとしている。長野県の各市町村、ホテル・旅館等の観光従事者は独自の販促を行ってきたが、顕著な成果が得られなかった。長野県は2012年度、官民一体で「長野ブランド」を樹立し、外国人(特に中国人)を引きつけようとしている。
長野県の観光業関係者は5月16日に初の連絡会議を開き、約120人が出席した。長野県政府の観光振興課は昨年、国際観光推進室を設置し、今年春より「国際観光推進計画」を実施している。
◆埼玉県熊谷市、囲碁による街おこし
第67期本因坊戦七番勝負の第2局が、5月28-29日に「囲碁の里」と称される埼玉県熊谷市で開催される。歴史文献によると、「碁聖」本因坊道策(1645-1702)とその弟子は、みな熊谷市出身であるという。
日本の囲碁の発祥地もまた、中国人観光客に狙いを定めている。世界の囲碁競技人口は4000万人とされ、うち中国の競技人口は2500万人に達する。日本棋院海外室は、「PRを強化すれば、中国の囲碁愛好家を引きつけることができる」と表明した。熊谷市はこれに先行し行動を開始し、東京と伊香保温泉を結ぶ中国人専用観光バスを対象に、「歓喜院」参観の特別サービスを提供している。
|