與那覇氏は最近のメールの中で、「日本は最近、毎年のように首相が替わり、経済も不景気で、国に失望を感じている人も多い。そんな中、多くの国民は経済成長を続ける中国を羨んでいる。これまで多くの人が日本は西洋化で中国よりも成功したと感じてきたが、今後はそのような神話を信じない人も増えるだろう」と指摘した。
日本にいる間、與那覇氏の著書について多くの人と話し合ったが、ほとんどの人が、「これこそ中日関係を根本的に見直し、日本の新たな方向性を模索する良書だ」との意見だった。
中国国内で、ウェイボー(ミニブログ)について研究する書籍は多いが、産業面から真剣に分析したものは多くない。山本達郎氏の著書「中国版ツイッターウェイボーを攻略せよ!」は、タイトルだけ見るとマーケティング関係の書籍かと思うが、そうではない。山本氏は実際に中国を訪れて100社あまりの企業、機関を調査し、ウェイボー使用の特徴を分析した。ウェイボーの活用は、中日民間交流の再構築に向けた基盤となると強調している。
筆者は山本氏と交流を重ねる中で、同氏が執筆のために日本大使館、福島県上海事務所、蒼井空事務所などを訪れたことを知った。山本氏は日本人に、中国のウェイボーを活用するよう呼びかけている。
我々は櫻井よしこ氏、石平氏らの、イデオロギーの対立をクローズアップするような「嫌中」意見だけでなく、與那覇氏、山本氏ら30代の若手日本人学者、企業家の中国分析を知るべきだ。彼らの結論は、史料の詳細な分析、現状の綿密な調査に基づき導き出されたものであり、説得力を持っている。
これまで中国関連の書籍は「嫌中」の一点張りだったが、最近は様々な声が同時に聞こえてくるようになった。日本の出版業界に変化が訪れたのだ。(文章 陳言、編集SN)
「人民網日本語版」2012年4月23日 |