英ロイター通信は16日、「日本の技術者、中国で『第二の人生』」と題する文章を掲載した。その内容は以下の通り。中国網が報じた。
1980年代、日本人技術者の技術は大手日本企業が競合他社を打ち負かすのを助けてきた。しかし今、数千人のベテラン日本人技術者たちが、発展目覚しい中国で新たな人生を歩もうとしている。
▽東莞で働く日本人技術者たち
中国で働くアイダ・マサユキ氏(59)は、「私の専門技術は、もう日本で就職先を見つけられません」と語る。東京の企業で30年間勤め、鋳型の生産を行ってきたアイダ氏。50歳を過ぎてから中国南部の珠江デルタに位置する製造業の中心地、東莞にやってきた。
まもなく60歳を迎えるアイダ氏は、定年が近づいている。日本では退職金の支給年齢が引き上げられたため、数年間収入なしの日々に耐えるか、中国大陸部や香港で働くかの2択しかないという。
アイダ氏は現在、おもちゃやイヤホン、コーヒーメーカーなど、いくつかの製品の鋳型の生産を担当している。「日本は、もうモノを作らなくなりました。これからは自分の得た鋳型の知識と技術を、若い世代に伝えていきたい」。
日本の技術者が中国で働いていることはあまり報じられていないが、これは「メイド・イン・ジャパン」の時代が過ぎ去り、中国企業に新たな技術力が注ぎ込まれたことを意味する。日本政府の統計データによると、現在約2800人の日本人が東莞で暮らしている。
日本はこれまでにもハイテク人材の流失を経験している。約20年前、サムスンやLGなどの韓国企業に日本の人材が流出したことがあった。
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