中国に侵略した旧日本軍731部隊による細菌戦と人体実験の犠牲者遺族が15日、日本で集会を開き、旧日本軍の犯した罪を追求し、日本政府に保障を求めることを確認した。これは、生体実験や細菌戦の犠牲となった中国人の遺族が初めて一堂に会し、日本で証言する初めての集会となった。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
細菌戦を専門に研究する奈須重雄氏は昨年11月、旧日本軍731部隊が中国で細菌戦を行った事実の新たな証拠が見つかったと発表した。その証拠とは、731部隊の軍医を務めた日本陸軍軍医学校防疫研究室の金子順一少佐が1943年12月に執筆した論文「PX(ペスト感染ノミ)ノ効果略算法」。同論文には、731部隊が1940年6月から1941年11月にかけて、浙江省や湖南省で航空機からペスト菌をばら撒き、計約2万6千人が感染したとの記述がある。
15日、浙江省寧波市と湖南省常徳市で家族がペスト菌投下の犠牲となったという胡賢忠さんと徐万智さんは、細菌戦が自分達や身内にもたらした計り知れない苦痛を涙ながらに話した。遼寧省瀋陽市からやって来た王亦兵老人も、父親が旧日本軍に連行され、731部隊による人体実験の犠牲となった痛ましい経歴を語った。これらの犠牲者遺族は、日本政府が中国で731部隊が展開した細菌戦の真相を究明し、旧日本軍が犯した大罪を正視し、犠牲者およびその遺族に謝罪し罪を償うよう訴えた。
今回の集会には、100人以上の聴衆が詰めかけた。その中の一人である松本恒雄さんは、「日本政府は731部隊が中国で細菌戦と人体実験を行ったという事実を認め、犠牲者と遺族に対して補償を行うべきだ」と語った。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年4月16日 |