◆中国が日本を抜き、世界第2位の経済大国に
遠山氏は、「中国のGDPが2010年に日本を上回り、日本国民に心理的なプレッシャーを与え、気持ちの整理がついていない」と述べた。
日本経済は30数年間の高度成長を経て、80年代から現在まで20数年間に渡り低迷している。日本の昨年のGDP成長率は、マイナス0.9%と落ち込んだ。一方で中国はこの30年間、高度経済成長を実現している。この経済の温度差が、日本国民に複雑な心理的影響を与えている。
劉教授は、「中国のGDPが日本を追い抜いたことは、日本社会に大きな衝撃を与えた。日本が戦後から近代に至るまでアジアで占めてきた地位に、根本的な変化が生じるからだ。中国の成長は、日本が30数年前に経済支援を申し出た当初、想像も出来なかったことだ。日本政府はこの現実を冷静に受け止めている。この現実を受け入れると、日本は中国にさまざまな期待や要求をするだろう。つまり、中国は世界第2位の経済大国となったのだから、相応の責任と義務を負わなければならない、ということだ」とする。
また一部では、中国の発展を嫉妬し、批判しようとする動きがある。朝日新聞は3月中旬、中国人が世界銀行の重要なポストを占めたことを報じた際に、見出しを「またも中国人」とした。この日本語には、「なぜいつも中国人か」、「中国がそれほど特別であるのか」というニュアンスが含まれる。劉教授は、「これは中国が強くなったことを示している。日本メディアと国民は、10-20年の時間を費やし、このような心理を調整する必要がある。その過程において、中国は慎重かつ謙虚な姿勢により、周辺国との関係を処理しなければならない」と指摘した。劉教授は1982年に早稲田大学に留学し、博士課程修了後に同大学に留まり、日本の近現代史、近代日中関係史を担当している。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年4月11日 |