◆メディアによるマイナス報道
劉教授と、外務省の遠山茂アジア大洋洲局中国・モンゴル課地域調整官は取材に応じた際に、「メディアの報道が日中関係に負の影響をもたらしている」と述べた。
劉教授は、「NHKは元旦に日中関係について触れるが、日中関係を不安視しており、中国に存在する問題が多いと厳しい批評をしている。朝日新聞は中国寄りのメディアとされてきたが、現在は中国に関する否定的な報道が多い。日本メディア全体がこのような雰囲気を形成している」と語った。
遠山氏は、「5年前、日本は毒ギョーザ事件に注目していた。テレビをつければどのチャンネルも、同じ時間に毒ギョーザ事件を報じていた。報道は客観的であると思うが、これが数ヶ月間に渡り毎日報じられれば、マイナスイメージが植え付けられる」と指摘した。遠山氏は中国に長年駐在しており、中国語を流暢に話す中国通だ。
調査によると、日中両国の約9割の国民が自国メディアの報道を、相手国もしくは日中関係に関する情報源としている。反面、旅行や相手国の友人との接触という直接的な交流の機会を持つ人は、極めて少数である。これは両国のメディアが日中関係に大きな影響を与え、責任を担う必要があることを示している。
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