中遠グループは川崎汽船と長らくパートナー関係にあります。二〇〇九年、世界的に定期船業が低迷していた時、中遠は青島で開催された国際海運年次大会で「定期船減速」という計画を発表しました。市場における輸送力過剰の解消を実現し、省エネと排出炭酸ガス削減の目標を達成するためです。同計画について川崎汽船はただちに賛同を示しました。長い間に、中遠は日本の船会社と相互信頼と相互理解に基づく協力の基礎を築いてきました。
中遠グループは日本にも子会社を持ち、われわれは日本各界の援助と支持を得ていますし、日本人スタッフの愛社精神とプロ意識には大いに感心させられます。
周 ありがとうございました。中遠グループと日本側との具体的な協力事業や自らの体験を踏まえた感想を通じて、中日の経済、貿易関係が双方にメリットと利益をもたらしていることが分かりました。さて、時代の進展にともなって、また新しい歴史的時代を前に、中日経済、貿易協力の分野でどのような新たなコンテンツがあり、それらはわれわれの期待に沿うものでしょうか。
唐 グリーン・エコノミーの発展は、世界の経済発展の潮流に合致し、また中日両国の未来の経済発展が主に目指す方向でもあります。中国は「第十二次五カ年規画」の中で、大いに循環経済を発展させ、低炭素経済を推進し、持続可能な発展の道を歩むことを提起しました。日本もまたグリーンの循環経済と、被災地の再建を今後十年の経済成長戦略の重要な内容としています。中日両国の発展戦略には共通点があるのです。日本はこの面で、先進的な技術と成熟した経験をもっており、中国には広い市場があります。
二〇一五年までに、中国の省エネ・環境保護産業は、生産総額が四兆五千億元に達する見込みです。環境対策に関する中国の旺盛な需要は、中日がその関連する分野で協力を展開するのに大きなビジネスチャンスを提供するでしょう。双方は完全に、それぞれの優位を互いに補完し、相互利益と「ウイン・ウイン」を図ることができます。双方は中日省エネ・環境保護総合フォーラムやグリーン博覧会などの舞台をうまく利用するとともに、大きな協力プロジェクトを積極的につくらなければなりません。
この二年来、唐山曹妃甸中日エコ工業パークと中日連雲港生態科学技術産業パークという二つのプロジェクトが両国の関心を集めました。私は日本経団連の御手洗冨士夫前会長と米倉弘昌現会長に同行して曹妃甸を視察しましたが、当地の立地条件は非常に優れ、前途有望であると深く感じました。日本の企業について言えば、最近、一人の友人が私に、日本企業が広東と湖北で、中日両国で新エネルギー自動車の協力を展開しようとしていると語り、これに私は大いに啓発されました。中国はすでに世界最大の自動車生産・販売国となり、日本は世界屈指の自動車産業強国です。両国が新エネルギー自動車で協力することは、時宜にかなったものであり、前途は無限に広がっています。この話を通じて、私はまた、中日両国はグリーン・エコノミーの面で大きく協力できる潜在能力があり、分野が広いので、協力できる事柄は多いと考えました。
周 周知のように、中日経済貿易の往来は、両国関係の基礎を固め、発展を推進する上で、重要な役割を果たしました。唐首席委員におうかがいしますが、今後、中日経済貿易関係は両国の政治的相互信頼の分野でどのようなより大きな役割を果すのでしょうか。
唐 中国の改革開放は三十数年来、注目すべき発展の成果を勝ち得ました。日本は中国の改革開放の重要な参加者であり、主要な受益者でもあります。中国の改革開放後、日本政府が中国側に政府開発援助(ODA)の借款を提供し、われわれの当時のインフラ建設に重要な役割を果たしました。このことを中国側は忘れることはできません。今日、中国は、日本の最大の貿易相手国であり、対中貿易は日本の輸出入総額の二〇%以上を占めています。多くの日本の経済人は、対中経済貿易はすでに日本経済回復の重要な推進力になっていると強調しています。
将来を展望すれば、中国の社会と経済は引き続き安定的で、比較的速い発展を保つでしょう。中国が現在実施している「第十二次五カ年規画」では、これからの五年で、輸出入の規模は八兆㌦を超す見込みです。二〇一五年には、中国社会の消費財市場の規模は五兆㌦に近づき、これは、日本を含む国際社会に巨大なビジネスチャンスをもたらし、中日関係にも絶えることのない原動力を提供することになるでしょう。
|