日本の「新書大賞2010」、発売20日で増版4回、100万册突破、ルース・ベネティクト作「菊と刀」に続く日本を知る新たな力作-----。神戸女学院大学(兵庫県西宮市)の内田樹名誉教授が書き下ろしたミリオンセラー「日本辺境論」中国語版がこのほど出版された。本書の前書きを記した神戸国際大学(神戸市東灘区)の毛丹青・教授と在日作家・李長声氏は先ごろ、「日本人が日本人を解く」をテーマに対談した。毛氏は、日本は匠と儀式の国であり、一般市民は歴史的話題に対して中国人が思っているほど感情的ではない、と語った。中国共産主義青年団(共青団)北京市委員会の機関紙「北京青年報」が伝えた。
内田樹氏は日本で高い人気の学者であり、評論家、武道家でもある。東大卒業後、神戸女学院大学文学部教授を務め、「日本辺境論」は代表作。中国語版前書で内田氏は、「本書は主に、日本人の国民性の源とその形成の過程、そして国民性の日本の政策決定・制度構築などに与える影響を論ずる」と寄せている。
本書上梓の理由について内田氏は、外国の友人が「日本人はどうしてこんな不可解な行動を取るのか」と日頃から疑問を抱いていたから、と語る。本書は、日本人の深層意識を認識する手助けとなる。
「日本辺境論」中国語版前書を記した毛丹青氏は、本書出版の背景について明かし、次のように述べた。「私も李長声先生も日本に長年暮らしていますが、日本に対しては依然戸惑っています。内田氏の書かれた『日本辺境論』は、私たちのそんな戸惑いを和らげてくださいました。内田氏とはかつて同じ大学で教鞭をとったことがあり、典型的な庶民派学者です。本書執筆について内田氏は、読者にわかりやすいものを、と繰り返しおっしゃっていました。本書出版の最終的なねらいは二つです。一つは読者が本書を通じ日本を理解し、二つめは、いかに日本文化の問題を読み解くか、です」
「本書が人気を集めているのは、日本人が自己を論じるのを好むことの現れです。ご承知の通り、日本人は今年、自身の文化論を語るのが好きで、関連の書籍も多く出版されています。中でも本書は単に自己分析するだけでなく、それを分かりやすくかみ砕いて説明している」と李長声氏も寄せている。(編集HT)
「人民網日本語版」2012年3月21日 |