茂呂美耶(もろ・みや)さんと同じく、中国語の作品を手掛ける日本人女性作家がいる。新井一二三(あらい・ひふみ)さんだ。広州紙「広州日報」が伝えた。
香港の著名映画監督・王家衛(ウォン・カーウァイ)氏の作品、戦前・戦後を生き抜いた女性作家・張愛玲(アイリーン・チャン)氏の小説を愛し、新井さんは大学在学中に中国に留学した。中国語への愛着に、「恋愛のようです」と語る。生粋の東京っ子の新井さんにとって、中国語での創作活動は、心を癒やす糧のようだ。
1984年夏、新井さんは北京へ中国語学習に訪れた。当時は外国人が中国で旅行するのが珍しかった頃。彼女は中国の友人達が、好奇心旺盛だったことを今でも覚えている。
「本当にたくさんの面白い質問をされました。日本人の月給はいくらだとか、私の父は資本家なのかとか」。新作「午後4時のビール」を手に久しぶりに訪中した新井さんは、「心が安らぐ」と感じたという。
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