販売歴の長い袁さんは、日本製テレビの最盛期を今でも覚えている。最初のブームは、ブラウン管テレビが人気だった改革開放が始まったばかりのころだ。ソニー、日立、東芝、松下など、多くの日本製品が中国市場を席巻していた。第二のブームは、2007年から2008年にかけて液晶テレビが急速に普及した時期である。シャープとソニーはコアとなる液晶技術を持っており、シェアを一気に高めた。「このころ、液晶テレビの価格は現在の3~4倍だった。日本の液晶テレビは32インチで1万元だったが、今では2500元で買える」。
しかし第二次ブームが長く続くことはなかった。2008年から徐々に、韓国のサムスンがテレビ市場において存在感を増していったのだ。「LEDと3Dテレビが流行したが、ともにサムスンが先行した」。袁さんは、韓国ブランドのイメージも市場シェアも大きく上昇したと述べる。
この数年で「made in Japan」は下降期に入ったようだ。サムスン電子や現代自動車など、韓国の競争力は、ウォン安も手伝って高まり続けている。日本企業は明らかに韓国企業に後れを取っている。調査会社「Display Search」の調査によると、2011年の前3四半期のおける、世界のフラット型テレビのシェアは、1位がサムスン電子の22.8%、2位がLG電子の13.9%だった。ソニーとパナソニックは3位と4位で、それぞれ11.0%と8.2%だった。
この時期、技術力と液晶価格の下落によって、中国ブランドにも上位に昇るチャンスがあった。中国ブランドは価格調整が可能である上、ブランド合併戦略がある。国家による支援と合併ブランドの地方市場浸透が、中国ブランドの発展を手助けすることになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年3月7日
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