日本の電器製品製造業が直面する危機や再編・改革を前にして、中国は手をこまねいている場合ではない。日本の大型企業の再編は、ますます多くの在中国日本資本企業に波及する可能性がある。たとえばソニーと日立の再編は、「対象子会社」がそれぞれ世界最高水準の高い付加価値をもつ技術を備えていることを前提として、産業革新機構が投資した成長資金を最大限に利用して新たな生産ラインを建設し、高付加価値市場のニーズに対応しようとするものだった。その対象子会社には、ソニーの関連会社である索尼移動顕示器(蘇州)有限公司が含まれる。また産業革新機構が投資を行ったプロジェクトには、在中国日本資本企業に直接投資して最大の株主になったというケースもある。
注意しなければならないのは、日本の電器・電子産業は、政府の支援の下で一致団結して協力するというのがこれまでの伝統的なあり方だったということだ。中国が現在、産業のグレードアップを推進していることを背景として、日本の産業革新機構のモデルには参考にすべき点がある。現在、中国の半導体は生産量は多いが、その多くはローエンドの低付加価値製品であり、国際市場の占有率は低く、国産電子製品に必要なハイエンドチップはなお輸入に頼っている。日本の大企業の再編改革には、日本企業が中間製品の製造を非常に重視してきたことが反映されている。今後の発展の中で、中核部品、半導体部品、原材料、精密機械などを含む高技術、高付加価値の中間製品の製造を重視することは、中国の産業グレードアップの重要な方向性の一つであることは確かだといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年2月29日 |