米国の債務問題と欧州債務危機により、日本だけが債務問題から逃れることができるかが国内外の投資家、エコノミスト、日本の政界、金融当局の間で注目されている。
日本メディアによると、三菱東京UFJ銀行は昨年末、日本国債の価格急落に備えた「危機管理計画」を初めて作った。これによると、日本国債の価格が急落した場合、損失を減らすために同行は短期間に数兆円の国債を売ることになる。
表面的に見ると、日本の公的債務の深刻さはギリシャにも劣らない。日本政府は、2012年度末には公的債務残高が1000兆円を超え、対GDP比は120%になると予測している。
ギリシャと本質的に異なる点は、日本政府が発行した約750兆円の国債のうち、9割超が国内で買われ、その4割を銀行が保有していることだ。海外投資家が保有する日本国債はわずか6%程度である。
日本国債について、短期的な心配はないが、将来的な心配はある。みずほ総合研究所の長谷川克之市場調査部長は、「日本の家計の金融資産は国債残高をはるかに上回るが、このような状況が永遠に続くことはない」とした上で、政府が現在の規模で財政支出を増やし続ければ、政府の負債はいつか民間の金融資産を超えるとの見解を示した。
日本国債を支える民間の金融資産は、主に経常収支黒字と個人貯蓄で成り立っている。長期にわたって、日本の「自産自消」型の国債市場は、赤字財政に必要資金を提供してきた。しかし、人口の減少と高齢化の進行、さらに長期にわたる景気回復力の不足に伴い、家計の金融資産の伸び率は国債残高に追いつかなくなっている。そのほか、貿易と投資による利益にも縮小の兆しが見られる。2011年、日本の貿易収支が31年ぶりの赤字になったことも、国債の見通しに対する一つの警告である。
日本国内では、国債暴落の日が「Xデー」と呼ばれる。その主な基準は、経常収支、家計の金融資産と国債残高の差である。JPモルガン証券の管野雅明チーフエコノミストは、日本は2015年に経常収支赤字になると予想する。また、みずほ総合研究所によると、金融資産の預金の比率が低下し、国債の金利が上昇するという最悪の状況が続けば、2020年には日本の家計の金融資産は国債残高と並ぶ。
三菱東京UFJ銀行の「危機管理計画」は、日本国債が2016年にも暴落する可能性があると推計している。
日本全国銀行協会は、人口の減少と高齢化の進行に伴い、日本の家計の貯蓄率は低下し、それにより銀行は現在の比率で国債を持ち続けることができなくなると強調。消費税を10%に引き上げても、日本の財政立て直しと国債の安定は保証できないという。
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスの日本国債担当アナリスト、トーマス・バーン氏は24日、東京都内で会見し、日本政府の税制改正法案と社会保障改革法案の一体化に進展がなければ、日本国債の格付け見通しを再び下方修正することもあると警告している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月28日 |