実は日本が宇宙開発をこれほど急ぐ背景には、中国や米国の宇宙開発がある。米国は2030年代半ばに火星軌道への有人飛行を予定し、これを「ポスト・スペースシャトル」時代の有人宇宙飛行開発の青写真と見なしている。中国は2013年に「月面車」の投入、2025潤オ30年に有人月面着陸を計画している。これらを目の当たりにして、日本は確かに若干焦りを抱いている。本来日本は米国の計画への相乗りを希望していた。09年には米国の月探査計画と連携して日本人を月に送り込む計画を固めた。だがこれは米国が元々の計画を中止したために頓挫してしまった。
日本の読売新聞は昨年1月4日付の社説で「日本には長期的な宇宙開発戦略がない。米国との協力を積極的に推し進め、安全保障を強化することで、宇宙開発分野で中国の急速な発展に対処すべきだ」と指摘した。
野田首相は著書「民主の敵」で「現在、日本は携帯電話やコンピューターの生産に必要なレアアースの9割を中国からの輸入に頼っており、自ら調節することもできない。偵察衛星ができれば、海底にある大量のレアアースを見つけることができる。われわれは戦略的な準備をしなければならない」としている。こうして見ると、野田首相が宇宙開発を促す目的の1つは、中国への対抗にある。これは今後の日本の宇宙開発の方向性となり、中日間の宇宙開発競争の幕開けとなるかもしれない。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年2月22日 |