昨年12月25日の中日首脳会談において、中国から日本に新たなトキが提供される方針が示された。佐渡市の佐渡トキ保護センターが受け入れ先となる可能性が高いという。島民と関係者はこのニュースに歓迎の意を示しており、トキの到来を心待ちにしている。新華日報が伝えた。
中国は1985年から2007年にかけて5回・計8羽のトキを日本に提供している。うち、1999年に提供された「友友」(ヨウヨウ、オス)と「洋洋」(ヤンヤン、メス)のペアは佐渡トキ保護センターで日本初の人工繁殖に成功した。しかし日本のトキの繁殖事業では近親交配により、病気への抵抗力低下などが懸念されている。
佐渡トキ保護センターの金子獣医師は「これまで、日本のトキは血統が少な過ぎて交配に制限があった。新たな個体が増えることは、トキの個体群を保護する上でプラスの影響がある」と語る。
2003年に「キン」が死亡したことにより、日本産のトキは絶滅した。現在までに長岡市などのトキ分散飼育センターを含め、日本国内のトキ飼育数は162羽となっている。飼育数は安定的に増えているものの、近親交配による抵抗力の低下問題が注目を集めている。日本の環境副大臣は昨年7月に中国を訪れた際、中国からの新たなトキの提供を申し入れた。
NPO法人「トキどき応援団」の計良武彦代表は「新たなDNAがもたらされることで、より健康的なトキを育成することができる」とし、このニュースに歓迎の意を表している。佐渡市の甲斐元也副市長も「確定した情報ではないが、非常にうれしく思う」とコメントしている。
環境省はトキの提供時期と数について、「今後中国側と話し合いを行う」としている。(編集SN)
「人民網日本語版」2012年1月30日 |