今回の二国間金融提携の強化により、日本は香港に続き2番目の、人民元建て債券の発行が可能な海外市場となる。李アナリストは、「人民元の海外での使用が普及するに伴い、中国は積極的かつ安定的に中国債券市場の対外開放を推進する。海外機構による中国国内の債券市場への投資を安定的に促し、中国国内のオフショア債券発行規模を拡大する。中国証券監督管理委員会はこのほど、ファンド会社9社の香港子会社をRQFII制度(香港の機関投資家に人民元建てのA株投資を認める制度)の初の試行機構として認定した。初のRQFII上限額は200億元(約2400億円)で、うち80%以上は中国大陸部の債券市場への投資となる。RQFII制度の発表後、人民元貿易、直接投資、金融市場の3ルートがそれぞれ完成・開通を一定程度実現し、人民元の国際化に向けて必要な基本条件を提供した。中国は現在これらの有利な条件を元にして、日本が人民元建て債券を発行する海外市場となることを支持している」と述べた。
人民元建て資本プロジェクトの両替化の推進について、中国経済の発展水準と金融システムの許容能力を考慮しなければならない。中国は金融改革を推進すると同時に、資本の安全性を重視し議論を進める必要がある。業界関係者は、「現在、元高が予想されている。一方で欧州市場には理想的な投資ルートが存在しない。中国の資本市場の開放により、海外からの大量の鞘取り資本を招く可能性がある。そのため海外資本の流入と金融監督管理の強化を結びつけ、健全で系統的な金融リスク防止システムと処理の仕組みを形成する必要がある」と述べた。また国際収支統計のモニタリングを継続的に強化し、異常な海外資金が流入するリスクを低減させる。王副研究員は、「変動為替相場制度を実施する中、日本が中国国債を購入することにより、海外資本の流入を招く。これにより元高圧力が深刻化し、外貨準備高の規模が拡大することで、インフレ圧力が強まる。ゆえに人民元の為替変動が比較的小さな現在、中国国債市場の対外開放は秩序立てて推進する必要があり、過度な推進により中国マクロ経済の安定に影響をもたらすべきではない」と警鐘を鳴らした。
李アナリストは、「金融市場の発展に向けた中日の提携強化に関する5つの措置は、政府が推進する海外貿易決済と投資行為をカバーし、また政府が推進・奨励する海外市場における企業の円・人民元建て金融製品とサービスに関する行為をカバーする。これは人民元国際化にとって重要な一歩である。将来的には地域内の最終消費市場の構築と発展、貿易取引と提携の拡大、貿易の利便性向上に取り組む」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2011年12月28日 |